昨日の小泉総理の靖国参拝について、今日の東京新聞に識者のコメントが寄せられていた。その中で、東大大学院教授姜尚中と並んで新右翼団体「一水会」顧問で評論家の鈴木邦男氏のコメントが興味深かった。鈴木氏ならではのひねくれた視点からのストレートな意見が大変分かりやすい。確かに「英霊」の立場に立てば、参拝されることで日本が孤立化していくのは強烈な皮肉でしかないだろう。
靖国神社は「靖国の英霊たちはアジアが西欧列強に脅かされる中で、アジアの平和のために戦った」と説明しているが、それを前提にすれば、英霊たちの願いはアジアの平和であるはずだ。ところが、小泉首相の参拝が原因で、中国、韓国など近隣諸国との関係がきな臭くなっている。英霊たちが最も恐れているのは、靖国神社が戦争に向う時の理論的武器になることではないか。明治の政治家なら参拝を一、二回やめても、その間に訪問し、説得や交渉をできる政治力があった。今は交渉したり、譲り合ったり、手を探すということがまったくなく、国民から「毅然としている」「戦っている」という評価を得たいだけになっている気がする。
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