月別アーカイブ: 2006年8月

『新世紀デジタル講義』

立花隆・児玉文雄・南谷崇・橋本毅彦・安田浩著『新世紀デジタル講義』(新潮社 2000)を読む。
「情報」の定義に始まり、コンピューターの歴史、インターネット前史、オープンソースの潮流などデジタルを巡る様々な問題を扱っている。私たちはコンピューターの発展というとCPUの計算能力の向上やメモリの容量の増加など単純な数値の上昇しか思い浮かばない。しかし、本来、コンピューターは人間の論理的思考の道具として発展したものであり、人間の複雑な思考をコンピューターが扱う2進数計算にまでどれだけ還元できるかというアルゴリズムの進化こそが問われるのだという。

『クリスマス・キャロル』

ディケンズ『クリスマス・キャロル』(岩波少年文庫 1967)を読む。
1843年に出版されたディケンズの代表作である。アニメ映画の台本のような単純なストーリーであるが、貧富の差が拡大していく世知辛い資本主義の世の中で、キリスト教の力を再確認しようとする低所得者層の市民の姿がかいま見えてきた。

『「超」手帳活用術』

坂東恭一『「超」手帳活用術』(河出書房新書 1996)を読む。
新潮社、毎日新聞、朝日新聞を経て現在大学生相手のマスコミ塾を主宰する著者が、スケジュール管理や発想を書き留めるメモ、また人脈作りのためのアドレス帳などビジネスにおける手帳活用の様々なノウハウを伝授する。携帯電話やインターネットの普及前に書かれたのものであり、少々ネタの古さは否定できないが、”軽い、早い、安い”手帳こそが情報と時間を有効に活用する一番のツールだという著者の言い分は正しい。日常生活の中でふとひらめいたアイデアを即座に書きとめるといったことは手のひらに収まる手帳にしかできないことだ。
また、筆者はメモのとり方について、集めた情報に出来るだけリンクを張っておくことが有効だと述べる。テレビや新聞、雑誌などから得た情報やと同時に、自分が肌で感じた情報を整理しておく。そうして集めた情報と関連した内容をまとめてグループ化しておく習慣をつけておくと、いざという時に適切な企画や報告をすることができると説く。