『歌がわが子の頭をよくする』

公文公・小田林浩子『歌がわが子の頭をよくする』(くもん出版 1988)を読む。
ゼロ歳児の子どもに童謡を聞かせることで、子どもは言葉を早く覚え、その結果運動面や生理面における成長も早まるという。ソニーの創業者盛田昭夫氏も同様のゼロ歳児教育を提唱していたが、つまりは、幼児に言葉や音楽、手足の動きなど様々な刺激を与えることが脳の発達に有効だという説である。遊びの中で、絵本や童謡、ジグソーパズルなど多くのツールを活用し子どもと触れ合うことが肝要だと述べる。私も早速神保町にて、童謡が流れる絵本とあいうえおのカードを購入してきた次第である。
公文式の神業的な教育的効果を強調するあまり、生後32日で「おかあさん」と発声し、二歳で方程式が解けるようになった神童が紹介されていたが、少々いかがわしい印象の残る内容ではあった。

また、近年公文式では、自閉症、知的発達遅滞、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、ダウン症などの障害のある生徒も、学習を続けるうちに「机に向かって座れるようになった」、「単語でしか話せなかったが、文脈の通じる会話になってきた」など社会性をともなう変化が見られているという。(詳細はこちら)
どれぐらいの生徒に効果があるのかは分からないが、公文式は、個々の生徒の興味と動機に応じたプログラム学習となっているので、多人数で一斉学習を行なう学校での勉強よりも馴染みやすい生徒は少なからずいるであろう。個々の生徒の実態を見きわめる判断は必要であろう。

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