山田詠美『放課後の音符』(新潮社 1989)を読む。
先日高校1年生の授業で徒然草の「花は盛りに」を扱った。時間もあまりなかったので、兼好法師の言いたいことをかなり端折って、恋愛論として生徒に提示した。次からまた現代文に入っていくのだが、その繋ぎとして、短編集で50分の授業で扱いやすい山田詠美の作品でも読ませてみようかなと思い手に取ってみた。
綿矢りさ・金原ひとみが芥川賞を受賞した際、文藝春秋のインタビューで、影響を受けた作品として両者ともに『放課後の音符』を挙げていたそうだ。たしかに、女子高生の幼くも計算高い心理がうまく描かれていた。私のようなおじさんが読んでも正直あまり感動はないが、女性がよむと頷くところも多いのであろう。