朴泰赫『醜い韓国人:われわれは「日帝支配」を叫びすぎる』(光文社 1993)を読む。
10年程前に論争になった本である。日韓を巡る意識の変化を探るため手にとってみた。
日韓ワールドカップ共催を間近に控えた現在、内容はたいして大騒ぎするまでもないと考える。こういう見方があってもよいというものだ。ただし戦前のアジア侵略を半ば肯定する姿勢ははっきりと理論武装をして批判しなくてはならない。日帝侵略うんぬんよりも中国の悪影響に染まってしまった李朝の歴史を振り返る部分でかなりの記述が割かれていた。
新しい歴史教科書のようなこの類いの本はこれからも大量に発生してくるのであろう。そうした際、いたづらな攻撃的なケチつけに満足してしまいがちである。大切なことは自己に対する批判意識に根差した批判精神である。私自身、19世紀前半から後半にかけての歴史の流れを勉強する必要がある。
『醜い韓国人』
コメントを残す