読書」カテゴリーアーカイブ

『秘帖・源氏物語 翁‐OKINA』

夢枕獏『秘帖・源氏物語 翁‐OKINA』(角川文庫 2011)を3分の1ほど読む。
電子書籍の「デジタル野生時代」にて配信された小説に加筆・修正が加えられて文庫化されたものである。
『源氏物語』というタイトルだけで手にしたが、実際は、六条御息所の悪霊の部分だけをモチーフにした『陰陽師』の外伝であった。安倍晴明のライバルとして描かれる蘆屋道満と光源氏がタッグを組み、異国の悪霊と対決するという内容である。夢枕獏氏の『陰陽師』は好きな作品なのだが。『源氏物語』を期待していただけに肩すかしを食らったようで、うまく内容に入っていかなかった。

『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説』

関暁夫『ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説:信じるか信じないかはあなた次第』(竹書房 2006)を読む。
ケネディとリンカーンの奇妙な符号や徳川埋蔵金、ノストラダムスとヒトラーなどの定番から、アディダスとワールドカップ、電子レンジUFO説、スピルバーグの正体など、ヤフーニュースにあれば必ずクリックしてしまいそうな都市伝説まで多数収録されている。
その中で、地下鉄の自動券売機のタッチパネルは密かに指紋を照合しているという話が興味深かった。関暁夫氏によると、券売機の中には、あらかじめ指名手配半犯の指紋が登録されており、内蔵されたカメラで人相を撮られ、警察に通報される仕組みが張り巡らされているそうだ。またそうした機能は銀行のATMや一部のガソリンスタンドのパネルにも仕掛けられており、逃走犯を追いつめていく「秘密捜査網」が全国に敷かれているという話である。近年のNシステムや防犯カメラによる捜査の充実ぶりを見るに、一概に信憑性に欠ける嘘だとも言いがたい。

『アフターダーク』

村上春樹『アフターダーク』(講談社文庫 2006)を読む。
2004年に刊行された本の文庫化である。ある都会の深夜の数時間、ファミレスで時間を過ごす若者やカップル・ホテルの従業員、眠り続ける女子大生たちの群像劇である。都会の闇と心の闇がリンクし、夜明け前の希望を示唆して話は終わる。
乾いた都会の雰囲気を感じる良質な作品であるが、村上春樹流の丁寧な翻訳調の文体にはいささか閉口した。

『図解・なぜ起こる? いつ起こる? 地震のメカニズム』

都司嘉宣『図解・なぜ起こる?いつ起こる? 地震のメカニズム』(永岡書店 2009)を読む。
都司氏は現在独立行政法人防災科学技術研究所客員研究員を務める地震学者である。ネットによると、東海・東南海地震が周期的に発生する時期に入っており、千年に1度の超巨大地震が発生する可能性もわずかにあるとし、地形的に津波のエネルギーが集まりやすく津波被害を考えても浜岡は廃炉にすべきと持論を展開しているとのこと。
地震発生のメカニズムについて地球の仕組みから丁寧に解説されている。また、地震予知の現状と限界、防災対策についてもまとめられている。
日本を取り巻く北アメリカプレートとユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4つのプレートの重なりを頭の中で3Dで理解することができた。また、世界でも地震が頻繁に起こる地域は限られており、イギリスやフランス、ドイツなどのヨーロッパ、アフリカ大陸やオーストラリア、太平洋側を除くアメリカ大陸ではほとんど地震がないという事実も初めて知った。一方、中国やインドネシア、イラン、トルコ、メキシコやチリといったプレート境界線域で大地震は繰り返されている。
現在、国内で需要がないため、安倍政権のお墨付きのもと三菱重工業がトルコに原発輸出を進めているが、あまりに危険と言わざるを得ない。

『3・11クライシス!』

佐藤優『3・11クライシス!』(マガジンハウス 2011)を4分の3程読む。
3・11の報道の検証として手に取ってみた。
元外務官僚の佐藤氏が2011年3月12日から4月8日までの3週間の間にネットや新聞、雑誌に寄稿した文章が時系列順でまとめられている。
しかし、多筆な佐藤氏が短期間にあちこちに書いた文章をただ集めただけなので、ほとんど同じ話が2度3度、4度5度と繰り返され読む気をなくしてしまった。マガジンハウス社サイドの編集(もへったくれもない)の杜撰さが目立つ。いくら緊急出版だからといって、もう少し中身を整えてもらわないと執筆者に失礼であろう。お金をムダにした感でいっぱいである。