西川善雄『ちがいのわかる写真術:西川名人の比較写真教室』(三樹書房 1998)を読む。
筆者は、ピカソや岡本太郎などの訳の分からない、何か一風変わった絵やモニュメントを「芸術」だとする風潮を頭から否定し、技巧や工夫を凝らして「知的感覚を刺激する」ものこそが真の芸術であり、、そうした「真」を写す哲学が写真に求められると述べる。
前口上はさておき、左ページに良くない写真と、右ページに同じ構図や狙いの良い写真を並べ、どこにポイントがあるのか、分かりやすく解説している。人が向いている方の面積を広くした方が構図的に安定するとか、背景を入れるべき写真と、切った方がよい写真の違いとか、空と地面の割合のバランスとか、実際にカメラを手にして人物や風景と向き合ったときに使えそうなテクニックが多数紹介されている。
ちょうど明日同僚の結婚式があるので、こうした実践技術を活用してみたい。
「読書」カテゴリーアーカイブ
「作者と読者のコラボ」
『世界遺産 21の日本の迷宮』
歴史の謎研究会編『世界遺産 21の日本の迷宮:巻ノ三』(青春出版社 2000)を読む。
2000年当時の日本の世界自然・文化遺産10カ所(法隆寺・姫路城・白神山地・屋久島・古都京都の文化財・白川郷、五箇山の合掌造り集落・原爆ドーム・厳島神社・古都奈良の文化財・日光の社寺)が「曰く付き」の説明で紹介されている。
奈良の興福寺の阿修羅像はなぜか穏やかな表情をしている。
龍安寺の石庭はどの方向から見ても15個のうち1個は他の石に隠れて見えないようになってる。
海中から生えたように立っている厳島神社の鳥居はどうやって建てられたのか。
合掌造りの家屋で秘密裏に作られていたものとは何か。
原爆ドームはなぜあのような姿になったのか。
法隆寺を建てた聖徳太子は存在したのか。
白神山地に住むマタギのベールに包まれた生活。
特に屋久島の植物相に興味を持った。屋久島は、北緯30度の熱帯に位置しながら、標高2000メートルに近い山々が群れをなしている。そのため、山間にモミやスギなどの針葉樹林が生育する一方、海岸ではマングローグが根を張るなど、北は亜寒帯から南は熱帯まで南北2000キロメートルの日本全域の植物相が屋久島一島に凝縮されている。シダ植物は388種、種子植物は1136種が数えられている。
百聞は一見に如かず。日本にある世界遺産を巡る旅に出かけてみたいものだ。
『上手に写す写真の撮り方』
安藤博『カラー図鑑 上手に写す写真の撮り方』(成美堂出版 1993)をパラパラと読む。
稲妻の撮り方やヘリコプターからの撮影テクニックなど、少々上級者向けの内容であった。
『たのしい社会科旅行』
泉麻人『たのしい社会科旅行』(新潮社 1999)を読む。
ちょうど40歳になった著者が、編集者と同行して小学校の社会の時間に習った「重要」な土地を見学に行くというルポルタージュである。95年から98年にかけて「小説新潮」に不定期に連載された軽めのコラムなので、先日購入した帝国書院の地図を片手にあっさりと読んだ。ウランが算出する岡山の人形峠、明治期の輸出産業を支えた富岡製糸工場、オリーブで有名な小豆島、オリンピックや新幹線と肩を並べた黒部第四ダム、幕末維新の歴史が残る山口の萩、「輪中」で知られる濃尾平野の長島町、雪対策の進んだ上信上越、北海道最東端に位置する根室釧路網走、最後は鉄砲伝来の地種子島の9カ所が紹介されている。プロペラ機のYS11に乗ったり、今は橋が通ってしまったところを船で渡ったり、20年の時の流れを感じる箇所もあり面白かった。


