読書」カテゴリーアーカイブ

『場末の酒場、ひとり飲み』

藤木TDC『場末の酒場、ひとり飲み』(ちくま新書 2010)を読む。
フリーライターの著者が、東京都内をあちこち出歩き、得意分野でもある昭和の面影を探しに出かける。
タイトルにもある「場末」について、著者は次のように述べる。

ロードサイドの家族向け大型店と「場末」の概念はまったく相反するものだ。
ロードサイド店には笑顔あふれた家族が自家用車でやってくる感覚があるが、「場末」は孤独な男、それも徒歩で、無粋なしかめっ面の中年が訪れるというイメージだ。ロードサイド店は必ずや豊かで建設的な幸福感を世界観として抱えているが、「場末」はどこか破滅的で不幸せな翳りがある。

そうした「場末」を求めて、都営新宿線瑞江駅、大田区六郷土手付近、舎人ライナー舎人駅、そして究極の場末である東武線鐘ケ淵駅周辺まで足を延ばす。著者は、「場末」を求める心根には、孤独の時間に酔う静寂な空間と時間を希求する人間性があると述べる。再開発やチェーン店の進出などで、「場末」な酒場は姿を消していく一方であるが、「場末」のカウンターで自分と向き合う時間は、今後ますます価値を高めていくであろう。

『ウラから読むとおもしろい世界地図』

おもしろ地理学会編『ウラから読むとおもしろい世界地図』(青春出版社 2004)を読む。
「リオ・デ・ジャネイロ」の地名の由来や、パリの町が丸い形になっている背景、イスラム圏の国旗の謎など、地理にまつわる蘊蓄が語られる。一昔前に駅のキオスクやコンビニで売っていたような軽妙な語り口の教養文庫である。興味をそそるような蘊蓄を交えて授業を行ってみたいものである。
地図帳片手に、国の細かい位置や、人口、経済力の統計などと見比べながら読んだので、読み終えるのに3時間たっぷりかかってしまった。しかし、だいぶ国や都市の名前がすらすらと記憶から取り出せるようになってきた。

『デンマーク人のまっかなホント』

ヘレン・ディルビー、スティーヴン・ハリス、トーマス・ゴールセン『デンマーク人のまっかなホント』(マクラミン ランゲージハウス 2000)を読む。
地誌学の勉強の一環として手に取ったみたが、勉強という観点からはあまり意味のない本であった。
環境への意識や、平等性、福祉国家など、日本と価値観を共有しそうな国であるが、ドイツとスウェーデンの両大国にぎっちりと挟まれ、知育玩具のレゴと童話作家アンデルセン以外、日本ではどうしても馴染みの薄い国である。
日本では2000年の発行であるが、原本はかなり古そうな内容を含んでいた。訳出もあまりこなれておらず、日本との距離を一層感じることとなった。

『世界遺産のミステリー』

ロム・インターナショナル編『あなたの知らない世界遺産のミステリー:あの遺跡・建物・都市に秘められた不思議な謎話』(河出書房新社 2004)を読む。
ピラミッドや万里の長城、マチュ・ピチュ、カッパドキア、ポンペイなど、定番の世界遺産ミステリーを取り上げ、成立や滅亡の謎を紹介している。宇宙人や超古代文明といったオカルト的な文脈に流されることなく、観光ガイドの範疇の中で魅力を伝えている。

ここ何ヶ月か週NHKの『シリーズ世界遺産100』という5分の短編ドキュメンタリーを、帝国書院発行の地図帳で国情や環境を確認しながら観るという習慣を続けているので、すんなりと国の位置と周辺の地理が出てくるようになった。一寸した自慢。

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