町田康『屈辱ポンチ』(文藝春秋 1998)を読む。
何の脈絡もないエピソードが延々と続いていく。話のテンポが良かったので最後まで読んだが、物語の意味を理解することはできなかった。
表題作のほか一編が収録されているが、もうお腹いっぱいで読む気になれなかった。
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『おどるでく』
第111回芥川賞受賞作、室井光広『おどるでく』(講談社 1994)を手に取ってみた。
表題作のほか、「群像」に掲載された一編が収録されている。
しかし、どうも物語のリズムが掴めず、数ページ読んで挫折した。
『83歳の女子高生球児』
上中別府チエ『83歳の女子高生球児』(主婦の友社 2013)を読む。
76歳で夜間中学に入学し、80歳で神奈川県立高津高校定時制に進学し、82歳で野球部に入部したチエさんと、顧問の先生や部員仲間との交流がまとめられている。80歳を超えても屈託のないチエさんの人柄が良く伝わってきた。
ケチをつけるわけではないが、若い頃の苦労話に始まり、仲間との衝突や支え合いを通じて成長し、感動のラストを迎えるといった、いかにも紋切り型の展開「構成」となっており、いささか興味を削がれた。
『世界の[下半身]経済が儲かる理由』
門倉貴史『世界の[下半身]経済が儲かる理由:セックス産業から見える世界経済のカラクリ』(アスペクト 2007)を読む。
著者の門倉氏は、ここ数年明石家さんま司会のバラエティ番組に頻繁に出演している経済評論家である。番組では話の腰を折る「いじられキャラ」が定着しているようだが、著作の方は分りやすい文章で内容もポイントを得ていた。
タイトルにもある通り、ソープランドやSMクラブ、ラブホテル、果ては非合法となっている「援助交際」に至るまで、大胆にセックス産業の市場規模を計算している。著者の計算式によれば、日本のSM産業であるが、月収入70万円程度のSM嬢が凡そ2万人おり、日本全国で1680億円の市場になるという。これは当時のユニチャーム社の2006年度の連結決算売上高に匹敵する数字である。その他にも様々な事情を抱えた外国人や貧困層によって支えられている非合法の売春ビジネスの実態や、入浴料とサービス料を分けて「売春防止法」を逃れるソープランドの仕組み、違法な海外送金を可能とする地下銀行の手法など、世界経済や税法の動きと連動しているセックス産業が大体理解できた。
著者は、表面的な取り締まりを強化することで、却ってアングラ化、ブラック化、郊外化していくセックス産業の本質を露わにしている。
『穴』
小山田浩子『穴』(新潮社 2014)を軽く読む。
第150回芥川龍之介賞を受賞した表題作の他、2編が収録されている。
仕事を辞め、夫の実家近くに引越ししたばかりの子どものいない主婦(作品中では「お嫁さん」と呼ばれる)を主人公として、ただ水を撒くしかない義祖父やひきこもり生活を続ける義兄との出会いを通して、生産社会の中でしっかりとした活躍の場を与えられない人たちの生きづらさが描かれる。
しかし、読み始めてすぐに後悔してしまった。近年の芥川賞にありがちな日常生活に潜む恐怖や人間関係の不安をテーマとしており、「主人公の半径2メートル」の世界の中だけで話が展開していく。
ひょっこりと街中にできた意味不明な「穴」や正体不明の獣といった、非日常的なメタファーを色々と意味付けしながら楽しむ類の作品なのだが、「正直、どうでもいいじゃねえか」と内心毒づきながら読んだため、全然ストーリーが頭に入ってこなかった。結局、他の2編は読まず仕舞いとなってしまった。
もう少し落ち着いた気持ちで読めば感想も違ったものになったかもしれない。
