読書」カテゴリーアーカイブ

『博物学の巨人 アンリ・ファーブル』

奥本大三郎『博物学の巨人 アンリ・ファーブル』(集英社新書 1999)を読む。
NPO日本アンリ・ファーブル会理事長を務める著者が、フランスの博物学者ファーブルの生涯を追う。
ファーブルは、狩蜂やスカラベの生態、後にフェロモンと呼ばれる伝達物質についての研究で知られる全10巻に及ぶ『昆虫記』の著者として知られる。しかし、彼は昆虫や植物の分野だけでなく、数学と物理学の二つの学士号を有し取得し、さらには農芸化学や科学全般にも長けており、歴史、地理、家事についての本まで書いている万能の人物であった。著者も南方熊楠との共通点を指摘している。
冒頭部分で、ファーブルを初めて邦訳したのは、無政府主義者として知られる大杉栄という件がある。妙な顔合わせだな思っていたのだが、反キリスト権威を貫いたファーブルの生涯を最後まで追うと合点がいくという、なかなか込んだ展開になっている。

『世界漂流』

五木寛之『世界漂流』(集英社 1992)を読む。
日刊ゲンダイなどに掲載された世界各地を訪れた際のエッセーがまとめられている。
あまり深刻な話題はなく、ホテルの使い勝手や、飛行機や競馬場、街並から連想される雑感が取り留めもなく綴られる。
一方、1988年当時の東ベルリンや、1990年のワルシャワ、1992年のモスクワなど、今振り返ると歴史の転換点であった1990年前後の冷戦崩壊の微妙な緊張感が伝わってくる。

『池上彰の新聞勉強術』

池上彰『池上彰の新聞勉強術』(ダイヤモンド社 2006)を読む。
新聞のスクラップや読み比べを通して、ニュースを見る目や思考力、判断力を培う「勉強術」がふんだんに紹介されている。読みやすい文章なので、さらさらっと読み流したが、池上彰氏自身が実践している勉強術というと説得力が増す。

『日本の里』

富田久雄写真・井原俊一文『日本の里』(ピエ・ブックス 2011)を読む。
100近い日本各地の里山の風景の写真集である。自分が風景の中のくねくね道をサイクリングしているような気持ちで眺めた。特に、表紙にもなっている長野県飯田市上村下栗・遠山郷や静岡県静岡市宇津ノ谷の里、埼玉県秩父市吉田沢戸・沢戸集落の景色に惹かれた。旧北国街道も味があって良い。
MTBで隈なく山道を走るのが良いのか、ロードで遠くまで走り抜けるのが良いのか、本筋ではない悩みが頭を過(よ)ぎる。

『一流プレゼンターへの道 徹底ガイド』

ティモシー・J・ケイガル『一流プレゼンターへの道 徹底ガイド』(PHP研究所 2009)を読む。
ワシントンD.C.を拠点に活動するプレゼンテーション&メディア・コンサルタントの著者が、ビジネス現場で成功するプレゼン技術を語る。目線の置き方や、身振り手振り、注意を引きつけるための話の進め方など微に入り細に入りコツを語る。
日本では反感を抱かれるようなアメリカナイズな内容もあったが、自分の日々の欠点を振り返る反省材料となった。