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『ナショジオが行ってみた 究極の洞窟』

ナショナルジオグラフィック『ナショジオが行ってみた 究極の洞窟』(日経ナショナルジオグラフィック社 2015)を読む。
ジャンボジェット機がすっぽり収まってしまうほどの大きさを持った、ベトナムのソンドン洞窟や中国・広西チワン族自治区の洞窟群などの巨大洞窟や、メキシコ・クエバ・デ・ロス・クリスタルの結晶の洞窟、メキシコ・マヤのセノーテ水中洞窟などの不思議な魅力について、写真や3Dモデルなどで分かりやすく説明されている。

本の奥付を読んでいて、ナショナルジオグラフィック協会が、1888年に「地理の知識の普及と振興」を目指して設立された100年以上の歴史を持つ団体だということを初めて知った。

『宇宙から見た地球』

福島県いわき市にあるいわき市立常盤図書館で、地学に関する本を3冊読んだ。
ニコラス・チータム『宇宙から見た地球』(河出書房新社 2008)を読む。
カラフルで緻密な地球の衛星画像データの写真集である。古代ギリシャ哲学者エンペドクレスが主張した世界を構成する四代元素「大地・水・大気・火」という4つ視点から、地球の様々な実像に迫る。
グレートリフトヴァレーのスケールの大きさやパミール高原の波打つような隆起など、地球が動いているというリアルな感覚がよく伝わってきた。

『【世界地図】がわかる本』

ロム・インターナショナル編『【世界地図】がわかる本』(雄鶏社 1993)を読む。
様々な参考文献から世界地図に関するこぼれ話を編集し直した本で、順番もめちゃくちゃなのだが、取り上げられている話題が興味深く一気に読んでしまった。フランスとスペインの両国の狭間にあるアンドラ公国や、イタリア国内のヴァチカン市国やサンマリノ共和国、南アフリカ共和国内のレソト王国とスワジランド王国の成り立ちや、ナウル共和国、モルジブ、カナリア諸島の特徴など、分かりやすい説明で編集者の辣腕ぶりが垣間見られる。

『バイオマスは地球環境を救えるか』

木谷収『バイオマスは地球環境を救えるか』(岩波ジュニア新書 2007)を読む。
バイオマスの解説に始まり、バイオエタノールやバイオマスプラスチックなどの利用方法、ジャトロファや地産地消の効率的な活用方法などの展望について詳細に語られている。高校生向けの本だと高を括っていたのだが、バイオマスの実際的な活用の解説に際して、光合成や燃料電池の化学式から説明されており読み応えがあった。
木谷氏の言によると、バイオマスは「生態系の中で、光合成産物である植物、植物から光合成産物をとりこんでいきる動物、植物と動物を分解して生きている微生物、およびこれらの生物の遺体などに由来する有機物」と定義されている。微生物は有機物を最終的には二酸化炭素に分解するため、人間がバイオマスを燃やして大気圏に放出するのと変わらず、新たな地球温暖化の要因となるような環境破壊を引き起こさないと言う。

『断腸亭日乗(下)』

永井荷風『断腸亭日乗(下)』(岩波文庫 1987)をぱらぱらと読む。
1937(昭和12)年から1959(昭和34)年までの日記が収録されている。
荷風は数えで81歳まで生きているのだが、亡くなる前日まで日記を認めている。晩年はほぼ一行日記になっているが、80を超えてもほぼ毎日のように千葉県市川市から浅草まで通う俗世魂は流石である。

1948年7月5日の内容が興味を引いた。このように荷風は書いている。

日本人の口にする愛国は田舎者のお国自慢に異らず。その短所欠点はゆめゆめ口外凄まじき異なり。歯の浮くやうな世辞を言ふべし。腹にもない世辞を言へば見す見す嘘八百と知れても軽薄なりと謗るものはなし。この国に生れしからは嘘でかためて決して真情を吐露すべからず。富士の山は世界に二ツとない霊山。二百十日は神風の吹く日。桜の花は散るから奇妙ぢゃ。楠と西郷はゑらいゑらいとさへ言つて置けば問題はなし。押しも押されもせぬ愛国者なり。