誉田哲也『武士道シックスティーン』(文藝春秋 2007)を読む。
高校剣道部をモチーフにした青春ドラマである。高校生の初々しい様子が伝わってくる作品だった。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『オスとメス 求愛と生殖行動』
小原嘉明『オスとメス 求愛と生殖行動』(岩波ジュニア新書 1986)をパラパラと読む。
著者は動物行動学の専門家で、モンシロチョウを中心に様々な昆虫や動物の生殖行動を科学的に分析している。しかし、最後に人間の性について語るのだが、色々と議論の分かれる部分であろう。
メスあるいは女というものは、どういうものかということを思い出してほしいと思います。メスあるいは女という性は、基本的に求められる性であり、相手の性を選択する性であること、そしてよりよい選択をしたメスが、より大きな生殖成功、あるいは幸せを手にできるということを、もう一度思い起こしてほしいと思うのです。
たとえば、オスのプレゼントが自分の生殖成功を高める価値のあるものだとわかるまでは、決して交尾を許さないツマグロガガンボモドキの慎重でかしこい行動を思い出して下さい。交尾をのばしのばして、ついにオスを子育てにひきこむコマドリの行動を思い出して下さい。メスは、交尾に「はじらいをもつ」ことで、オスの素質や熱意のあるなしなどを、十分にチェックできるのです。
このことは、そのまま人間にあてはまるものではないかと私は思います。
『愛の領分』
第125回直木賞受賞作、藤田宜永『愛の領分』(文藝春秋 2001)を読む。
ちょうど1950年生まれの著者と同世代の50を過ぎたばかりの中年男性が主人公の恋愛物語である。ちょうど長野(北陸)新幹線が開通した直後に書かれた作品で、日帰りで行って帰って来れるようになった東京と上田の微妙な距離感が、そのまま男女の微妙な間柄の象徴として上手く演出されている。また二十歳前後の若かりし頃のエピソードが次々と明らかになる推理小説的な展開も面白かった。
『宇宙人はいるだろうか』
水谷仁『宇宙人はいるだろうか:地球外文明の可能性』(岩波ジュニア新書 1986)を読む。地球の生命の進化と宇宙のスケールの大きさをバランスよく説明している。その中で著者は、約1000億個の星が集まる私たちのいる銀河の中で、地球と同様の文明を持つ星が3〜10個くらいあるのではと結論付ける。
宇宙だけでなく、地球の46億年の歴史も分かりやすくまとめられており、興味深く読むことができた。とりわけ、原子生命の誕生を再現したユーレー・ミラーの実験の様子が面白かった。原子地球と同じ大気組成であるメタンとアンモニアと水素を含んだ容器のなかに水蒸気を循環させて、そのなかで雷のような放電を起こすという実験である。約8日間放電を続けたところ、ビーカーの周辺に色々なアミノ酸や複雑な有機物が出来ていたというのだ。メタンやアンモニア、水素、水蒸気に雷や紫外線などのエネルギーを加えると、生物のもととなる有機物が作られることが証明されたというものだ。うん。面白い。
『尾瀬ハイキング』
蜂谷緑『尾瀬ハイキング:花・鳥・道』(岩波ジュニア新書 1984)を読む。
タイトル通り、尾瀬ハイキングの入門書である。30年以上前の本であるが、尾瀬の風景は変わらないので、想像しながら楽しむことができた。
