江戸川乱歩『地獄の仮面』(ポプラ社 1970)を途中まで読む。
今作も怪人二十面相シリーズではないので、本格ミステリーを期待したのだが、仕事師(建築土木関連の人)がピストルを所持していたり、犯人がアドバルーンで逃げたり、実の人間と思っていたら蝋人形だったりと、いつもの怪人二十面相シリーズと変わらないので一気に興味をなくした。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『デジタルエレクトロニクスの秘法』
山田勲『デジタルエレクトロニクスの秘法』(岩波ジュニア新書 1990)を読む。
CDのデジタル音源の仕組みに始まり、DRAM、テレビのブラウン管の仕組み、パソコンとマイコンの違いなどが分かりやすく説明されている。DATやMO、ファジー理論など、懐かしい単語も登場した。
昔中国人が考えた、非常に大きな数の単位があります。みなさんも、億、兆、京、くらいは知っているかと思いますが、その上がまだあります。垓、𥝱、穣、溝、澗、正、載、極と続いてその上はいきなり三文字の恒河沙という単位。これはインドのガンジス川の砂粒の数、という意味だそうです。
『末期ガンになったIT社長からの手紙』
藤田憲一『末期ガンになったIT社長からの手紙』(幻冬舎 2006)をパラパラと読む。
タイトルそのままで、末期の胃がんが再発し、余命3ヶ月と宣告された著者が、自身の仕事や結婚の問題を赤裸々に語る。「夜明け前が一番暗い」の言葉を信じて、入院中も仕事をこなし、5年ぶりの休みを貰ったと趣味に満喫する姿は、同じ病に苦しむ患者に希望を与えるものであろう。
2006年6月に刊行された本だが、同年10月に永眠されている。展開を無視して書き連ねた内容でかなり読みにくいが、その分だけ著者の切迫した状況が伝わってくる。
抗ガン剤は基本的にガンを殺す薬ではありません。ガンと通常の細胞を薬は判別できないからです。ガンは通常の細胞より早く分裂して増殖します。ですので、抗ガン剤は分裂の早い細胞を殺すのです。したがって、抗ガン剤はガン細胞以外の分裂の早い白血球や毛髪などの正常な細胞も殺します。白血球を殺すことにより免疫力を下げることになり、感染症などで死んだりという副作用が起きます。
『クルマ・20世紀のトップランナー』
星野芳郎『クルマ・20世紀のトップランナー』(岩波ジュニア新書 1987)をパラパラと読む。
1894年にパリ郊外で行われた125kmを走る自動車レースには、ガソリン自動車が14台、蒸気自動車が6台、電気自動車が4台出場している。当時から鉛蓄電池を搭載した電気自動車がかなり走っていたという事実に驚いた。
また、イギリスの競馬には国王陛下、女王陛下が参列する。それは中世では馬が戦争の勝敗を決めたことに由来する。日本だと競馬はしばしば品位の低いもののように受け取られるが、ヨーロッパではきわめて品位の高いものとなっている。
非常に急なカーブのことをヘアピンカーブというが、それは女性が髪に挿すピンの頭のところの曲がり具合が非常にきついことに由来する。
最後の章で、著者は車がリビングルームであり、個人がくつろぐ空間となっていることを認めつつも、車が居住地内部に入ってこられないようにした上で、徒歩圏内で日常の用が済むようなコンパクトシティのあり方も提案している。
『日本語は年速一キロで動く』
井上史雄『日本語は秒速一キロで動く』(講談社現代新書 2003)をパラパラと読む。
著者は東京外国語大学で長く言語学を研究していた学者である。本書では「ジャカマシイ」や「センカッタ」「ケンケン」「〜シナイ」などの方言がどのように他地域に伝播していくか、詳細なデータをもとに分析した労作である。言語地理学の分野の研究になるのであろう。
そうした中で、マスメディアの影響も含めて方言は均すと年速1キロくらいで拡大していくことを明らかにしている。さらにはインド=ヨーロッパ語族のヨーロッパへの拡大についても、小麦栽培と結びつけて年に1キロという似た速度で西進していったことも紹介されている。またモンゴロイドがアジアからベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸北端に渡り、南アメリカ大陸南端へ達した過程も、5万キロに5万年かかったとすると、ほぼ同様の速さとも言えると述べている。
言語・文化の伝播とそれを担う人間自体の移動は別問題のはずだが、1世代あたり30キロ、つまり年速1キロほどに落ち着くのだろうと結論付けている。
