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「保健室の先生やっと来た」

本日の東京新聞朝刊に、さいたま市大宮区にある埼玉朝鮮初中級学校に常勤の保健室の先生が着任したとの記事が掲載されていた。埼玉朝鮮学校は学校教育法に基づく「正規の学校」とは認められておらず、いまだに学生証のない「各種学校」として位置づけられている。そのため卒業しても中学校卒とも高校卒ともならない。幸い中学高校に相当する中級学校を卒業すれば、ほぼ全ての大学への受験資格を得ることができる。

日本の公教育の中に位置付けられながらも、学校の運営は授業料や寄付金、補助金に頼らざるを得ない。なぜ日本に在日コリアンが多数在住しているのかという歴史的な経緯を踏まえれば、朝鮮学校の子どもたちへの支援は、日本の学校並みに拡充すべきである。それは北朝鮮への経済政策と矛盾するものではない。この点は中間考査前の最後の授業でも触れたかと思います。

「昆虫食工場進化」

本日の東京新聞朝刊に昆虫食工場もITを活用し、飼育が自動化されているとの記事が掲載されていた。授業の中でも何度か取り上げているが、人間の筋肉や骨、皮を作る必須アミノ酸を多量に含む動物性タンパク質が世界では足りていない。良質なタンパク質は、牛肉や豚肉などの肉類、アジやサンマ、エビなどの魚介類、牛乳やチーズなどの乳製品、卵などに含まれるが、いずれもアフリカの内陸部では手に入りにくいものである。

そうした世界的なタンパク質不足の切り札が昆虫食だと言われている。コオロギには魚や肉以上に良質なたんぱく質が含まれている。さらに、食物繊維、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、亜鉛などの栄養素も豊富である。また、牛や豚は大量にトウモロコシや大豆などの穀物を消費するが、コオロギは餌が少なくてすみ、環境負荷も小さい。まさにSDGsの象徴といっても良い。

記事ではコオロギがスマート工場で効率良く生産されるとのこと。日本で定着し、世界に普及してほしい食文化と技術である。

端境期

本日の中間考査でホイットルセーの農業区分に関する問題を出題した。その区分の1つに企業的畑作農業がある。広大な農地を大型機械を利用して大量に生産する地域である。北半球と南半球の季節差を利用し、収穫ができず作物が出回らない端境期に輸出をしている。

以下は、ちょっと古い統計データだが、夏から秋にかけては北海道産のかぼちゃが東京卸売市場に大量に入荷される。しかし、それ以外の季節は熱帯地域を含むメキシコや南半球のニュージーランド産が大半を占める。かぼちゃは皮が厚いので保存が効きそうだが、水分を含むので保存期間は1週間である。そのため季節に左右される商品となっており、冬から春にかけて私たちが口にするカボチャのほとんどが外国産となる。

こうした端境期を利用した野菜は、他にエクアドルのブロッコリーやペルーのアスパラガス、チリのさくらんぼなどが代表的である。スーパーで購入する際には生産地を確認しておきたい。

「神様も自撮り」

本日の東京新聞夕刊に、インド・ニューデリーで開催されたヒンズー教の祭りの一コマが紹介されていた。ヒンズー教はインドで8億人が信仰する宗教である。ヒンズー教はキリスト教のイエスキリストや仏教のお釈迦さまのように特定の開祖を持たない民間信仰である。また多神教であり、人間の生活全般を規定する制度や法制、習俗など、日本でいうところの朱子学(儒教)に近い。

写真を見てもわかるように、日本の七福神(大黒天〈だいこくてん〉、毘沙門天〈びしゃもんてん〉、恵比寿天〈えびすてん〉、寿老人〈じゅろうじん〉、福禄寿〈ふくろくじゅ〉、弁財天〈べんざいてん〉、布袋尊〈ほていそん〉)に極めて似ている。実は七福神はヒンズー教の神が仏教に帰依して神様になったという設定なのだ。まさに元祖カレーライスのような存在なのである。皆さんの中にも、鎌倉への修学旅行で銭洗弁財天に行ったことがある人もいるかもしれない。ヒンズー教と仏教の双方の寛容な姿勢が垣間見えてくる。