大学短大専門学校案内」カテゴリーアーカイブ

パンフレット研究:駿河台大学

駿河台大学のパンフレットを読む。
埼玉県飯能市にある中規模大学である。受験界で有名な駿台予備校が母体となって設立された新しい大学である。私が駿台予備校に通っていた十数年前は、駿台でもあまりお勧めされない埼玉の山奥にある新興のこぢんまりとした大学というイメージだった。しかし、パンフレットを読むと、法学部、経済学部、大学院に加え、09年からメディア情報学部や現代文化学部、心理学部が新たに改組・設置されるということだ。
パンフレットの半分以上を授業内容やゼミ紹介に費やしており、大学側の授業勝負の姿勢が伺われる。また剣道部やカヌー部、女子ホッケー部に力を入れているが、他大学のように客寄せの看板としては位置づけていない。

また、他大学にはない特徴としてアウトキャンパススタディ[地域の教育力]なるものがある。パンフレットの説明によると「就職で求められるコミュニケーション能力や社会観・職業観は「地域」を教室として、さまざまな活動をされている方々を先生にした現実社会での実際の活動の中で身につけることができます」とある。地元でのボランティア活動やまちづくり実践、インターンシップや植林といった、元々は学生主体の活動であった自主講座や市民大学的な色合いの勉強を大学が先回りして取り込んでいるのである。こうしたスポーツやボランティアなどの大学の「先回り」は10年前辺りから始まったように記憶しているが、かなり広範囲な大学に広がっているようだ。

パンフレット研究:多摩大学

多摩大学のパンフレットを読む。
1989年に、「休講のない大学」「実学重視のプログラム」「産業界で活躍した教授陣」などの特色を掲げて開学した新しい大学である。経営情報学部と2007年に新設されたグローバルスタディーズ学部の2学部からなる。
「グローバル〜」は国際社会における「教養」と「論理的思考能力」の育成に力を入れており、授業も英語で行なうなど気合いが入っている。
また、経営情報学部は経営情報学科とマネジメントデザイン学科の2学科で構成される。経営情報学科の設置目標がこの学校の理念を象徴しているように思う。「今や多くの企業が経営戦略の中心に据える「カイゼン(改善)」。その推進に貢献できる人材の育成こそ経営情報学科の大きな目標です」と謳われている。完全な経営サイドに立った物の見方ができる若者の育成に大学全体が特化されている印象だ。
キャンパスの周辺には何もなく、サークル活動も盛んではない。就職や資格の勉強に集中したい学生にとっては程よい環境の大学であろう。

パンフレット研究:関東学園大学

関東学園大学のパンフレットを読む。
群馬県太田市にあり、経済学科と経営学科からなる経済学部と法学部、そして大学院から構成される小規模の大学である。
どちらの学部にもスポーツマネージメントコースが設置され、経済や法律の勉強と併行して、保健体育の教員にもなれるという「贅沢」なコースである。パンフレットを読む限りは、学問内容よりも、資格取得と就職支援、特待生・奨学金制度の充実を売りとした典型的な郊外型大学である。とりたてて特徴のない大学である。
入学者の学力は決して高くはないためか、コンピンテンシー(社会に対応し、適応する力)育成プログラムが一年次に導入され、少人数制による基礎学力充実とモチベーションの向上が図られている。女子サッカーやソフトボールが強化クラブとして活動しているようだ。
「人口論」で有名なイギリスの経済学者マルサスの自筆文書が保管されていることが、他大学と差別化を図る唯一の宣伝材料か。

パンフレット研究:麗澤大学

麗澤大学のパンフレットを読む。
千葉県柏市に位置し,外国語学部と経済学部の2学部からなる大学である。1959年に開学した中規模大学である。これまでさんざん見てきた,郊外型大学にありがちな,スポーツを売りした学科や資格取得支援プログラム,キレイな校舎などに頼ることなく,大学の理念や授業を前面に打ち出しており大変好印象である。教育課程もすっきりとしており,純粋に授業を楽しめそうだ。外国語学部は受験生が十分に集まっているが,経済学部は少々苦戦している。
1泊2日のオープンキャンパスがあるのが面白い。最近は駅伝に力を入れているようであるが,他の大学に見られる新興私立高校のような改革を突き進んでほしくはない。

パンフレット研究:川村学園女子大学

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川村学園女子大学のパンフレットを読む。
決して有名大学ではないが,関東大震災の翌年の大正13年に,震災救助活動での経験を踏まえて法人が創立された歴史ある大学である。
英語,史学,心理学科を揃えた文学部,そして幼児教育,児童教育,社会教育学科の教育学部,そして日本文化,観光文化,生活文化の人間文化学部の3学部と大学院で構成される。人文系だけの女子大としてはその学問分野の幅は広い。
パンフレットに「学びの8つのキーワード」と称して,「基礎ゼミナール」「キャリアプランニング」「ライフプランニング」「外国語教育」「クロスオーバー教育」「副専攻制度」「就職支援」「大学院の充実」が掲げられており,良い意味でオーソドックスな大学である川村学園女子大の特徴を示唆している。
我孫子市の外れに位置し,JR常磐線の天王台駅からバスで乗り継ぐ不便な場所にあり,落ち着いて勉強に専念したいと考える女子生徒にはよい環境であろう。