ルーテル学院大学のパンフレットを読む。
1909年熊本に創設された路帖神学校を起源とし、九州学院神学部を経て、日本ルーテル神学専門学校となり、1964年に新たに東京三鷹市に開設された新しい大学である。総合人間学部一学部の単科大学で、社会福祉学科、臨床心理学科、キリスト教学科の3学科合わせて100名という少人数教育の徹底された大学である。ルター研究では日本の拠点となっているらしい。キリスト教のみの大学だと思っていたが、他の宗教系大学と同様、キリスト教の汎愛主義に根ざした人間教育にシフトしている。
パンフレットの半分以上が、将来「なりたい」職業ごとにページが構成されており、1年次から4年次までの科目が分かりやすい表現で紹介されている。どの学科も選択の幅はあまりなく、一人ひとり顔が見えるクラス必修の授業で4年間持ち上がっていく。
社会福祉士と精神保健福祉士の両方の受験資格を得ることができ、07年度の精神保健福祉士の合格率は100%であり、また社会福祉士の現役合格率も50%を超える。丁寧な指導の賜であろう。
「大学短大専門学校案内」カテゴリーアーカイブ
パンフレット研究:慶応大学
慶応大学のパンフレットを読む。
文学部から医学部までの全学部の概要がまとめられているだけのもので、今まで読んだ中で一番薄いパンフレットであった。
他大学のように授業や教員の分かりやすい紹介や就職プログラムなどのカラー刷りのページはなく、ひたすら学問の成り立ちや専門分野の説明が書かれており、読み物として面白かった。
総合パンフレットを読む限り、文、経、法、商、医、理工、看護医療、薬学部と、どこの学部もオリジナリティと教養から専門までの一貫性を持っているので、湘南藤沢キャンパスの総合政策学部と環境情報学部の独自性が埋没している印象は免れない。
法学部のページに、法律学と政治学について、「政治は出来上がりつつある法律であり、法律は出来上がった政治である」と説明がされており妙に印象に残った。法治主義と民主主義の理念を非常にシンプルに表している表現である。
パンフレット研究:大正大学
天台宗大学、豊山大学(真言宗)、宗教大学(浄土宗)が合併して設立された仏教連合大学を前身とし、1926年に大学に昇格した歴史ある大学である。初代学長には、大正自由主義教育運動の指導的役割を果たし、成城学園を創立した澤柳政太郎氏が就任している。当初より文学部と仏教学部の二学部による少人数の大学であったが、1992年に仏教学部を人間学部仏教学科に再編し、宗派色を薄め、人間中心主義を根幹に据える教育を行っている。
表現文化学科と歴史文化学科からなる文学部と、仏教学科、アーバン福祉学科、臨床心理学科、人間科学科からなる人間学部で構成され、それぞれの学科に2~5つのコースがある。そして一つ一つのコースのページごとに「特色」や「こんなことが学べる」「4年間のステップ」「学びのサポート」「こんなに面白いことがある」「本コースの活躍フィールド」「取得できる資格」などが分かりやすくまとめられている。コースを選ぶことで、学生は自動的にカリキュラムや将来のビジョンが与えられるという仕組みである。
また、大学全体でも、キャリアデザインやキャリアデュケーションセンターによる資格取得支援、またマイスターによるアドバンテージプログラムや海外留学プログラムなどの横文字プログラムが一通り揃っている。パンフレット全体もカラー刷りで分かりやすく書かれてはいるのだが、多くの内容を詰め込むあまりに大学全体の焦点がぼけてしまっている感がある。
西巣鴨にあるという地の利を生かして、香山リカさんや花田紀凱氏などの授業が展開されており、どの授業も楽しく学べそうな雰囲気だけはひしひしと伝わってくる。
パンフレット研究:帝京大学
1931年創設の帝京商業学校を母体として、1966年に4年制の大学として発足した新設校である。親族による大規模なグループ経営を敷いており、巷では「学費が高い」と揶揄される学校でもある。パンフレットの学校一覧を読むと、四大だけで帝京大学、帝京平成大学、帝京科学大学と3校、それに短大が4校、高校10校、幼稚園8校など、全国規模で学校が展開されている。あまりに学部学科が多いので、働いている職員も一体感が持ち得ないであろう。また、学校名も「帝京短期大学」「帝京大学短期大学」「帝京学園短期大学」とあり、大変紛らわしい。
パンフレットの中で、文学部の説明の一節が格好良かったので紹介したい。
文学部とは本来”Faculty of Letters”の翻訳で、文字で書かれた全ての事柄を学びの対象としています。あまりに漠然としているように思えますが、結局それは読み、考え、書くという我々の知的活動の最も基本的な営みを鍛えていく作業です。
パンフレット研究:文化女子大学
文化女子大学のパンフレットを読む。
服装学部、造形学部、短大、大学院生活環境学研究科が新宿駅から歩いて7分の新都心キャンパスに、現代文化学部が小平キャンパスに位置する。ファッション 関係のゆるい大学だと思っていたが、パンフレット読む限りかなりまじめな大学だという印象だ。服装学部と造形学部はそれぞれ10のコースに分かれており、 どのコースのページにも「資格と将来の進路」「卒業生の主な進路」が細かく明記されており、専門学校に近い実践的なプログラムが組まれている。例えば、造 形学部生活造形学科ジュエリーメタルワークコースでは、ジュエリー作成の実習が豊富に組まれ、将来の仕事や資格に直結するような授業内容ばかりなので、将 来像の明確な女子生徒には楽しいであろう。一方、小平にある現代文化学部は、パンフレットを読む限り特に目新しいものはない。
