投稿者「heavysnow」のアーカイブ

『サイファ覚醒せよ!』

宮台真司・速水由紀子『サイファ覚醒せよ!:世界の新解読バイブル』(筑摩書房,2000)をパラパラと読む。
ほとんど頭に入ってこなかった。唯一興味を引いたのが、宮代氏を含めた1960年前後生まれの「新人類世代」と、干支で一回り違う東浩紀を含めた「団塊ジュニア世代」の比較であった。

脚注によると、「新人類世代」とは、『朝日ジャーナル』の連載「新人類の騎手たち」に由来する説が有力で、1973年〜76年のシラケ時代に中高生だった1958〜1963年生まれを指す。団塊世代のようなうって一丸となる行動も世代意識もないこと、志向が細分化していること、生まれたときからメディアまみれで育ったこと、デート文化に長けていることなどが特徴であり、初期のオタク世代と重なっている。一方、「団塊ジュニア世代」は、団塊世代が結婚・出産を迎えた第二次ベビーブーム(1971〜1975年)に相当する年代である。バブル末期の90年頃には「イチゴ世代」と呼ばれて注目されてきたが、新人類世代と比べても、直後のブルセラ世代(1976〜1980年生まれ)と比べても圧倒的に地味なライフスタイルで、実りは少ない世代であると説明されている。

「団塊ジュニア世代」に比べて、「新人類世代」が物書きでも映画監督でも桁違いに多いという宮台氏の言葉が印象に残った。「団塊ジュニア世代」の悲哀を改めて噛み締めた。

『スピティの谷へ』

謝孝浩『スピティの谷へ』(新潮社,2001)をパラパラと読む。
スピティの風景や人々の写真とともに、スピティのある家族の生活が詳細に綴られる。
スピティとはインドの最北部に位置し、標高3200mから4200mに点在する村である。パキスタンとの領有争いで有名なカシミール地方とチベットに挟まれた山間の小さな村である。カシミール地方やラダック地方というと、ヒンドゥー教文化とイスラム文化が混在している地域という勝手な印象があったが、スピティ地方はチベット文化圏にある。チベットから逃れてくる人々もいたり、ネパールの文化も入ってきたり、文化や言語、宗教が混在しつつ共存している地域であるということが理解できた。

『生命とはなんだろう』

『生命とはなんだろう:新しい生物学の小事典』(岩波ジュニア新書,1987)をパラパラと読む。
冒頭で生命の生死の定義について触れているが、その定義付けがはっきりしない。人間であれば呼吸運動、心臓収縮、瞳孔反射の3つがいずれも機能しないと死と診断されるが、臓器レベルや細胞レベル、遺伝子レベルになると話は複雑になってくる。
あとは生物の教科書のような内容だったので、ほとんど読み飛ばした。

『ジュニア地球白書』

ワールドウォッチ研究所『ジュニア地球白書:アフリカの飢えと食料・農業 2012-2013』(ワールドウォッチジャパン 2013)をパラパラと読む。
教科書を読んでいるような感じで面白くなかった。気候変動によって旱魃や生物多様性の減少が生じ、アフリカ全土で農業ができる地域が減少し、飢餓を引き起こしているという流れは理解できた。様々な農業の対策が紹介されていたが、読む気にならなかった。

『ニュースの言葉』

毎日中学生新聞編集部 編著『ニュースの言葉:日本と世界のいまがわかる』(岩波ジュニア新書,2005)をパラパラと読む。
2003年から2005年にかけて毎日中学生新聞に掲載された時事用語やニュースのミニ解説欄の説明があいうえお順でまとめられている。何とも安易な企画である。辞書的な内容なので、最初から読み進めていくのは正直きつい。ただ、パラパラと読むだけで、小泉政権やイラク戦争、新潟中越地震、映画「千と千尋の神隠し」、地上デジタル放送、おれおれ詐欺など、20年前の時代を思い返すことができた。2000年代前半、不況が連呼されていたが、当時の日本はまだまだ世界第2位の経済大国であり、日本経済の強さを政府も経済界も国民も疑わず、AIに仕事を奪われるような危機感もなかった幸せな時代であった。