『彼女は嘘をついている』

小泉知樹『彼女は嘘をついている』(文藝春秋,2006)を一気に読む。
痴漢被害で無実の罪で逮捕され、女性の自白のみの調書で起訴された男性が、2度にわたる控訴審の棄却を経て、1年3ヶ月収監され、そして再審請求を始めるまでの一連の顛末が描かれる。
警察官や検察官、裁判官どもの「事勿れ主義」な杜撰な仕事に、著者と一緒に怒りが湧いてくる。自分は果たしてどうなのか。空気を読むだけのやり過ごしな態度はどうなのか。