投稿者「heavysnow」のアーカイブ

「差別解消進むと信じて」

本日の東京新聞朝刊に、トルクのクルド系の議員が来日し、記者会見を行ったとの記事が掲載されていた。記事によると、トルコ国内では政府によるクルド人弾圧が強まっており、在日クルド人が難民申請を却下され、強制送還となった場合、空港で逮捕されてそのまま刑務所に収監されてしまうとのこと。

日本政府も難民条約に加盟している。難民条約において、難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」と定義されている。もう一度難民条約を読み直してみてはいかがであろうか。

「対応難 最後の受け皿」

本日の東京新聞朝刊に、日本全国で定時制高校が変わってきたとの記事が掲載されていた。
1993年の962校から2023年には621校と3分の2にまで減っている。また、働きながら学ぶ生徒は減少の一途をたどっており、2016年現在、定時制の生徒の50.8%は無職、パートやアルバイトが46.2%、正社員がわずか2.2%となっている。また生徒が抱える事情も「不登校経験」や「特別な支援が必要」「心療内科の通院歴」などが上位を占めている。

そうした状況の中で、日本語を母語としない外国籍の生徒の割合が増えている。記事にもあるが、全日制高校の入試の外国籍生徒の特別枠が足りておらず、定員に余裕のある定時制高校が最後の受け皿になっている。

全日制高校で定員に余裕のある学校もあるが、そうした学校では日本語の指導やサポートを受けることはできない。本来は全日制で行事や部活動など様々なことを経験してほしいと思うが、定時制ならでは手厚いサポートもまた必要である。学校だけで抱え込まず、日本語のボランティアスタッフの協力も得ながら、全日制でも定時制でも学ぶ機会を設けていくべきである。

『12のトイレ』

村田喜代子『12のトイレ』(新潮社,1995)をパラパラと読む。
作者は1945年に福岡県北九州市八幡で生まれ、1987年に芥川賞を受賞している。
本書はトイレをモチーフにして、村田さん自身の小中学校時代から成人までの思い出がエッセーとしてまとめられている。正直面白くなかったが、男性よりも女性の方がトイレに対する思い強いことが分かった。女性はトイレでの友人との交流やトイレに籠ることの安心感、逆に、トイレに入っている最中も見られるかもしれないという不安感などを感じやすい。また、大人への階段である生理の際もトイレが舞台となる。

「ニューカレドニア 独立巡り暴動」

本日の東京新聞朝刊に、南太平洋のフランス領ニューカレドニアの暴動に関する記事が掲載されていた。

ニューカレドニアといってもピンと来ない人が大半であろう。オーストラリアの西部の太平洋に位置する、観光地として有名なフランスの海外領土である。1800年代の話になるが、イギリスとフランスは太平洋やインド洋の島々をつぎつぎと支配していった歴史がある。そのため、フランス排他的経済水域(EEZ)はアメリカに次いで、世界第2位となっている。EEZ内の海産資源や海底資源を維持するために、フランスは飴と鞭を使い分けながら海外領土の自治や独立を抑えてきた。また、太平洋やインド洋におけるプレゼンスを示すために、フランス軍の基地も置かれている。

アフリカでも旧フランスの植民地であったチャドやニジェール、コートジボワールでもイスラム教徒とフランス寄りの政府との間で紛争が続いている。植民地支配という負の歴史にフランス政府がどのように向き合っていくのか、歴史認識が問われている。

フランス共和国の領土(赤) 海外領土(丸で囲まれた地域) 領有を主張している地域(テール・アデリー;網掛けの地域) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:France_in_the_World_(%2BAntarctica_claims).svg

『地球科学のすすめ』

牛来正夫編『地球科学のすすめ』(筑摩書房,1970)を手に取ってみた。
編者の牛来(ごらい)さんは、東京高師を卒業され、執筆当時東京教育大学で教授を務めていた。Wikipediaによると、東京教育大学の「筑波移転」に反対の立場から、定年を待たず同大学を退官されたとのこと。
疲れのためか、中身は全く頭に入ってこなかった。
まえがきの冒頭に次の一節がある。時代を感じる一文である。

約一年前、筑摩書房編集部の方が、この本の話をもってこられたところ、私の勤め先の大学は、二年越しの「紛争」の最中でした。