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本日の東京新聞

本日の東京新聞のスポーツ欄の中で、元横綱・千代の富士のコラムに次の文章が載っていた。

朝青龍は、千秋楽も危なげなく勝って、年間最多勝記録を84に伸ばした。1年間で負けたのが、たったの6番。この記録はおそらくこれからも破られることはあるまい。私も年間最多勝をとっているが、確か80勝だったと記憶している。いまと状況が違い、周囲の横綱、大関は強者ばかり。苦労に苦労を重ねての記録だっただけに、すごくうれしかったことを覚えている。それより4勝も多い記録には完全に脱帽だ。周囲を見渡しても、敵らしい敵は見あたらない。強いてあげれば、これから力をつけてきそうな琴欧州ぐらい。

どう読んでも、強者の少ない中で連勝を重ねる朝青龍よりも、ライバルがひしめき合う中で最多勝を獲得した私(千代の富士)の方が記録としては素晴らしいのだということをアピールしているとしか読み取れない。編集サイドでもう少し文章を整理することができなかったのだろうか。

『アダルトな人びと』

足立倫行『アダルトな人びと』(講談社 1992)を読む。
1990〜1991年当時、レンタルアダルトビデオ全盛時代に活躍した、ダイヤモンド映像の村西とおる監督やアテネ映像の代々木忠監督、「V&Rプランニング」のバクシーシ山下監督に対して、男性の自慰行為のネタ以上のアダルトビデオを撮ることの意義を質している。著者はエロスというものが理性や世間体の逆にあるものではなく、実はすぐ裏に潜んでいるものだと述べる。つまりエロスを映像化するということは、われわれ現代人がいかに理性という薄い仮面で生活しているのかということの証左ともなる。
この中で今でも活躍しているのは「V&Rプランニング」の代々木忠監督だけである。代々木監督の作品の中に、女性二人が男性の肛門を執拗に攻め、男性を前後不覚のオーガズムに導いたビデオがあるらしい。その映像を撮影した際、監督は次のコメントを筆者に語っている。

代々木によれば、池田(男優)のオーガズムは過渡的なものだと言う。なぜなら絶頂の瞬間に、勃起も射精もしていないからだ。池田の中で、自意識を捨てたいという気持ちと、そこまでしたくない気持ちのせめぎ合いがまだある、と。男のオーガズムの段階にもいろいろあるが、「本当はエゴイズムを捨て切れれば、男の場合、勃起、射精を伴った至福の境地に至る」と代々木は信じていた。”性のエゴイズム”代々木の、AVを舞台にした実験はまだまだ続くのである。

〈老人福祉論〉

 介護保険制度は,これまでの高齢者福祉サービスと高齢者保健,医療,福祉サービスを再編成し,負担と給付が明確になる社会保険方式により,少子化によって家族介護が困難になっている中,社会全体で介護問題を担う制度を創設し,総合的な介護サービスを利用者の選択によって利用できるようにしようとするものである。また,介護保険法においては要介護状態になった者が「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」必要な介護サービスを提供することを目的としてあげている。

 介護保険自体の実施主体は市町村であり,寝たきりや認知症などの「要介護者」状態,または介護が必要となるおそれがあり日常生活全般のサポートが必要な「要支援者」状態の65歳以上の被保険者に対して保険給付がなされる。また,筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病のような特定疾病のある40歳以上の被保険者にも給付がなされる。その場合要介護状態にあるかどうか,その介護の必要の度合いを確認するために,被保険者は市町村において要介護認定の申請を行なう。そこで軽度の要支援状態から,重度の要介護状態の6段階に分類される。

 次にサービスの利用にあたって,サービスを計画的・効果的に提供していく仕組みとして,指定居宅介護支援事業者に配置されている介護支援専門員による介護サービス計画(ケアプラン)が策定され,利用者のサービスの選択と利用を支援することとなる。その際,介護支援専門員は計画を策定するにあたって要介護者の心身の状況や日常生活動作,家族の状態を分析しながら,多様なサービス計画を提供することとなっている。

 介護サービスは,大きく訪問介護やデイケア,ショートステイなどの在宅介護と,老人施設や老人性認知症疾患療養病棟などの施設サービスに分けられる。しかし,近年の地域での自立生活支援推進の流れを受け,在宅での介護サービスの充実が図られている。

 いずれのサービスを利用するにあたっても,費用の1割の利用者負担が決められている。そして,その財源は,40歳以上の国民が支払う介護保険と国や都道府県,市町村の公費負担で成り立っている。しかし,少子高齢化によるアンバランスな人口構成により,財源の確保は難しく,若年層に負担のしわ寄せが来ている。また,利用者の自立が向上したにも関わらず,要介護状態の度合いが固定化され,保険給付額の不必要な増加も指摘されている。

 今後益々民間企業の競争による介護サービスの多様化が臨まれるのは間違いない。しかし,安易な企業任せの介護認定がまかり通っては介護保険制度そのものがパンクしてしまう。団塊世代が65歳になる今後を鑑み,介護支援専門員を大幅に増やすとともに,厳正な認定を行なえるような人材の育成が求められる。

〈地域福祉論〉

 地域福祉法第4条は「福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み,社会・経済・文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるように,地域福祉の推進に努めなければならない」と定めている。つまり,障害がある人も地域社会において障害のない人と同様に生活ができるノーマルな社会に向かって,要支援者を一人のトータルな生活者としてとらえる視点を持って,要支援者に対する様々な関わりを統合化していくことである。そして,そのような環境を作っていくにあたって,行政や福祉団体だけでなく,地域社会に暮らす住民の主体的な参加が可能な土壌が求められている。つまり,単に障害者の理解や思いやりを教育や地域で育むのみならず,国民一人一人が基本的人権を尊重し,日本国憲法に定める平等権や幸福追求権の主旨を理解し,傍観者的な態度ではなく,行動する力の育成が求められるということだ。

 地域においては,これまでの山奥の入所施設に閉じこめておくような「効率的」な福祉サービスではなく,今まで住んでいた地域で,できるだけ在宅を基本としたサービスが求められる。2005年に衆院で可決をみた障害者自立支援法案の第1条は「この法律は、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とすること」と定められている。

 学校教育においては,文科省と厚労省の壁が反映してか,「福祉」という言葉は意識的に使われていない。福祉ではなく,「道徳」という言葉が通常用いられる。1998年に文科省が告示した学習指導要領では,道徳教育について「道徳教育は教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に活かし」,「家庭や地域社会との連携を図りながら,ボランティア活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない」と述べられている。そして,現行の学習指導要領では,教育課程の編成において,「盲学校,聾学校,および養護学校との連携や交流を図るとともに,障害のある児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること」と定められている。

 求められる福祉教育とは,知識として障害者や高齢者の姿を理解することではない。障害者や高齢者と健常者が共に文化的で健康的な生活を営むことができるような社会を作っていける「道徳性」を養うことである。

 参考文献
 一番ヶ瀬康子監修『教科書社会福祉』一橋出版,1997年

〈社会保障論2〉

(a)労災保険法の給付は,労働者が業務中,もしくは通勤途中に生じた負傷・疾病・障害または死亡が,業務遂行中に,かつ,業務に起因して発生したものであると認められたときのみ与えられる。その「業務上」の概念は,法律では明記されておらず,行政解釈に依拠する点が大きい。
 ア)のように,勤務中に生じた災害については業務上と認められ,給付の対象である。また,イ)の場合においても,労働者が使用者の施設管理下にある限り,なお使用者の支配下にあるものとして業務遂行中と認められる。ただし,発生した災害は原則として業務外とされる。
 出張のように労働者が用務について包括的に使用者に対し責任を負っていると考えられる場合は,出張過程に全般において使用者の支配下にあるものとして業務上のものと判断される。ただし,ウ)のように,出張の通常範囲内の私的行為(休憩や飲食等)を逸脱する場合は業務外とされる。
 労災法7条2項で「通勤とは,労働者が,就業に関し,住居と就業の場所との間を,合理的な経路及び方法により往復すること」と定められており,エ)のケースは業務上とされる。しかし,7条3項では「労働者が,前項の往復経路を逸脱,中断した場合においては,通勤としない。ただし,日常生活上必要な行為である場合は,この限りでない」とあり,オ)のケースは業務外と判断される。

(b)業務災害に関する保険給付は以下の7種類である。通勤災害の場合も業務災害の場合に準じた保護が与えられるが,使用者の労災補償責任として行われるものでないため,「補償」という文字が削られている。
療養補償給付:働いている人が業務上の災害でけがや病気になったとき,退職後も含めて療養を要する全期間,指定病院で治療を受けられる。
休業補償給付:業務上のけがや病気で休んで賃金が受けられない時,休業1日につき給付基礎日額の60%の給付を受けられる。
傷病補償年金:業務上のけがや病気が1年半たっても治らず,かつその傷病により,重度の障害状態になったとき,その傷病の程度に応じて給付を受けられる。
障害補償給付:業務上のけがや病気が治ったものの,身体に重度ないし中程度の障害が残ったとき,その障害の程度によって年金か一時金を受けられる。
介護補償給付:業務上のけがや病気により重度の障害状態にあり介護を必要とするとき,支給される。民間の有料の介護サービスなどや親族,友人,知人により現に介護を受けていることも受給の要件となる。
遺族補償給付:業務上のけがや病気により死亡したとき,給付を受けられる。遺族の条件によって,年金か一時金に分かれる。
葬祭料:業務上の災害により死亡した労働者の葬祭に際して,葬祭料が支給される。

参考文献
安枝英訷・西村健一郎『労働法〔改訂版〕』有斐閣,1990年