パンフレット研究:昭和大学

1928年に設立された昭和医学専門学校を始まりとし、1946年昭和医科大学となり、1964年薬学部設置、1965年富士吉田校舎開設、1977年歯学部設置、そして、2002年保険医療学部が設置されている。現在では医学部、歯学部、薬学部に加え、看護学科・理学療法学科・作業療法学科の3学科からなる保健医療学部の4学部体制となっている。戦前からの伝統ある私大医学部の旧設八医科大学の一つである。
得てして糊塗しがちな入試や就職データであるが、昭和大学のパンフレットはここ数年の志願者数や合格者数、また、学費や近年の国家試験合格率も、グラフや表で分かりやすく掲載されており、大変好感持てる内容である。
昭和大学の第一の特徴は、1年時に全学部の学生が富士吉田キャンパスで全寮生活を送り、4人一部屋で寝食ともにする間柄で「チーム医療」を学ぶ制度である。費用は寮費・食費・寝具類費含めて727,000円となっており、比較的リーズナブルな料金で寮生活を送ることができる。18歳、19歳の若者が中心なので、様々な衝突はあるだろうが、医療人としてのタフなコミュニケーション能力育成の場としてはすばらしい環境である。
また付属病院が東京神奈川を中心に8つもあり、臨床医しての研修の場も充実している。付属病院の売り上げもあるのであろうか、2014年度入学生より大幅な学費改定があり、6年間の学費が450万円値下げされ、2200万となっている。さらに高得点者や地域医療選抜合格者はさらに300万円下がり、1900万円となる。これは慶応大学や順天堂大学よりも安い。歯学部は医学部よりも高くて2450万円、薬学部は1150万円となっている。一方で看護学部は充実した環境の反面少し高めであり、640万円となっている。
作業療法学科の卒業生の93.6%が医療機関に就職しているというのも驚きである。
また部活動や学園祭も充実しており、親としては子ども(優秀ならば)を通わせたい思ってしまう大学である。
CMで大学名が連呼されるので、「松本歯科大学」と同様によほど人が集まらない大学なのかと思っていたが、内容が充実している上に学費も大幅に値下げされ、諸手を上げて賞賛したい大学であった。

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