和光大学は1934年成城学園を母胎とする和光小学校の開校に始まる。1947年に和光中学校・高等学校が開校し、1966年に人間関係学科・文学科・芸術学科からなる人文学部と経済学部経済学科の2学部4学科の大学がスタートしている。その後、改組が続き、現在では心理教育学科・現代社会学科・身体環境共生学科からなる現代人間学部と、総合文化学科と芸術学科からなる表現学部、経済学科・経営学科からなる経済学部の3学部7学科で構成されている。
東京都町田市の小田急線鶴川駅から徒歩15分という辺鄙なキャンパスで4年間全学生が学ぶ。キャンパスの場所柄か、AO入試やセンター利用入試などあるが、どの学部学科も1倍台と苦戦を強いられている。1年間の授業料と施設費の計100万円近くが全額免除となる特待生選抜が行われている。試験の合計得点が8割を越えた者全員を選抜するとあるが、学科によっては11名受けて全員不合格となるなど、ハードルは高い。
首都圏の偏差値ランクでは下位に甘んじているが、都道府県別の志願者・合格者数を見ると、日本全国から学生が集まっている。特に、クラーク記念国際やあずさ第一などの通信制高校や、自由の森学園や北星学園余市など自由な校風の学校の出身者が多いのが特徴である。
私が学生であった1990年代半ばでも、首都圏の大学とは異なり和光大学だけは、新左翼党派が絡んだ学生の自治活動が大学当局によって保証されていた。
パンフレット冒頭の学長挨拶の言葉がよく大学の性格を表している。引用してみたい。
大学とは、自由な研究と学習の共同体である。
梅根悟・初代学長は、そんな理念を掲げ、和光大学を「小さな実験大学」と呼びました。
その思いは、今も和光大学のすべてに息づいています。
教職員と学生との距離が近いと言われます。
学生の自主性や対話を大切にし、積極性を伸ばす、個性的な大学であるとも言われています。
そして、みなさんが自分を磨くことについて、心の広い大学だと思っています。
人という点が動くことによって、人間関係という線のつながりになり、
さらに面になり、より広い「人間広場」ができます。
こうした人間広場がさまざまに組み合わさって、和光大学という学びの空間になっています。
夢や理想を語り合える、情熱をぶつけ合いながら学問を楽しむことのできる、
かけがえのない自由な場ーそれが、和光大学です。