上と下の二人をお風呂に入れてから、ララガーデンへ出かけた。
西田敏行主演、君塚良一脚本・監督『遺体 明日への10日間』(2013 ファントム・フィルム)を観た。
平日のレイトショーということもあってか、観客が私を含め3人しかいなかったが、こうした映画を放映してくれる映画館に感謝したい。
東日本大震災がおきてから10日間、岩手県釜石市の廃校になった学校の体育館での遺体安置所の模様が描かれる。死体が次々と運ばれてくるが、祭壇もない、死者への扱いもぞんざいで、脚色はあるものの当時の現場の混乱がリアルに伝わってくる作品であった。
一応お坊さんが来てお経を上げるが
死に対しての「物語」がない日本人にとっては、ただ救いのない残酷な現実を突きつけられる。
遺体安置所で、ご遺体が丁寧にもてなされた後のご家族の表情が何ともいえない。その笑顔に遺体安置所の働く人たちだけでなく、観客の我々も一抹の救いを感じてしまう。
余震のシーンがあると、つい観ているだけで身体が揺れてしまうような錯覚を、まだ感じる。
まだ震災があってから2年経っていない。
観ながら、「物語」化されていないだけ、スクリーンにのみ没頭することができず、自身の当時の立ち振る舞いや現在の生活について考えさせられる時間となった気がする。
津波のCGやガレキシーンが全く出てこないのもよかった。
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