パンフレット研究:淑徳大学

1892年創立の淑徳女学校を起源とし、1965年に社会福祉学部(現総合福祉学部)の4年制単科大学として発足した新しい大学である。
96年には埼玉県三芳町に国際コミュニケーション学部が新設され、07年には新たに国立病院機構千葉東病院の敷地内に看護学部が開設されている。そしてさらに2010年には、フィールドワークに重点を置いた社会学部的な要素の強いコミュニティ政策学部の開設が予定されている。
千葉市内に位置する総合福祉学部は、ソーシャルワーク研究の中心校であり、カリキュラムもきちんと練られた構成になっている。また、ある程度の伝統と地域とのつながりがあるためか、県庁や市役所を始め、公立の保育所や特別支援学校などへの就職状況も良い。
一方で三芳町のみずほ台キャンパスに拠点を置く国際コミュニケーション学部は、「レクリエーション文化コース」や「スポーツ健康コース」「共生教育実践コース」など、高校生受けするようなコースと科目を揃えただけの、無思想な学部という印象を拭えない。来年度開設予定のコミュニティ政策学部も同様である。
淑徳大学は、高校3校、中学3校、幼稚園2園を経営する大規模な法人に支えられている。拡大路線を突っ走る理念なき大学経営のつけが、他の学校に回らないことを願いたい。

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