『ペットと動物の仕事』

高橋秀一編集『ペットと動物の仕事』(主婦の友社 2000)を読む。
「なるにはブックス」のような内容で、動物園や水族館の獣医師や飼育係、調教師、動物看護師、トリマー、ブリーダー、犬の訓練士など、動物に関わるあらゆる仕事が紹介されている。また、動物プロダクションや動物の服のデザイナーなど珍しい仕事も含まれている。

今回は意図的にそうした現場で働く女性のみが20人ほど取り上げられている。どの女性も仕事に対する熱意とやりがいを語っている。しかし、正社員といえど保険やボーナスもなく、大変低い給料で働いている。刊行当時にはなかった「やりがい搾取」という言葉が思い浮かんでしまう。教育や保育、動物、アニメ、ゲームなど、その対象が愛おしいほど仕事にやりがいを感じるのは否定できない。しかし、その結果として生活できない、結婚できない、家庭を維持できなくなっては困る。仕事が面白いほど、足元を見つめ直すことが必要である。