中嶋嶺雄『中国・台湾・香港』(PHP新書 1999)を読む。
教材研究のため、久しぶりに新書にじっくりと向き合った。著者は台湾の元総統の李登輝と親交が深いため、台湾や香港の民主化や経済成長を支持し、中国の独裁、共産主義に批判的である。著者のスタンスがはっきりしているので、中国の戦後史が多かったが、読みやすかった。
中国現代史は毛沢東、蒋介石、江沢民の3人を中心に見ていくと分かりやすい。ざっくり色付けすると、毛沢東と続く華国鋒は左寄りで共産主義を確立した。蒋介石は右派で経済を中心に回した。江沢民は天安門事件で失脚した趙紫陽の後を受けて就任したゴリゴリの左派である。その後の胡錦濤は経済を中心に活躍した。習近平は経済と軍事の両面のトップとして就任している。