小林千草『ことばの歴史学』(丸善ライブラリー 1998)をパラパラと読む。
著者の小林さんは成城大学や東海大学で教鞭をとった国語学者で、Wikipediaによると昨年鬼籍に入られている。中世の言語生活史を専門としており、係り結びの法則や二段活用、完了の助動詞などが、鎌倉・室町時代にどのような過程で崩れていったのか、例文を用いて詳細に説明している。副助詞の「だに」「すら」「さへ」の用法の変化や、格助詞「にて」が現代語の「で」になった音韻論的な考察など興味深い話もあった。
疲れが出てしまったのか、本を手にしたまま、風呂の中で船をこいでしまった。