本日の東京新聞国際面

本日の国際面は東アジア尽くしであった。

まず、先月亡くなった中国のノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏を支援した人権活動家だが、現在も軟禁状態が続いているという。劉氏の死は中国国内ではほとんど報道されず、庶民には知られていない。「劉暁波」や妻の「劉霞」で検索しても結果は表示されないように規制が加えられている。

劉暁波
中国の作家で民主活動家。米コロンビア大学客員研究員だった1989年、民主化を求める学生らの運動を弾圧した「天安門事件」で、学生を支援。2008年、言論の自由を訴える「08憲章」を発表し拘束され、国家政権転覆煽動罪で11年に判決を受け服役した。10年に獄中でノーベル平和賞を受賞。末期の肝臓ガンで国外での治療を希望したが、遼寧省瀋陽市の病院で死亡、遺骨は海葬された。

また、香港民主派政党の民主党員が、九竜地区の繁華街で標準中国語を話す男らに連れ去られ、劉霞さんとの面識の有無などについて詰問され、監禁暴行を受ける事件も発生している。

また、別記事であるが、中国の国家インターネット情報弁公室は11日、国家の安全に危害を与える情報が含まれているとして、「ネット安全法」に基づいて大手ネット3社の一斉調査に乗り出したとのこと。中国版LINE(ライン)に当たる「微信」、中国版ツイッター「微博」、検索エンジン「百度」の掲示板で、いずれも中国で広く利用されているネットサービスである。同弁公室は「暴力テロや虚偽情報、わいせつな情報を拡大させており、管理義務が不十分だ」と調査の理由を説明しているが、今秋の共産党大会を控え、習近平指導部による言論統制の一環とみられている。

他にも、北朝鮮の官製集会の記事が大きく掲載されていた。中国国内では表現の自由が認められていない。それは報道の自由や表現・通信の自由が認められると、共産党支配層への批判が集中し、「天安門事件」のような叛乱が起きることを危惧するに他ならない。一方で、そうした中国を揶揄できるほど、日本は民主化が熟成しているのであろうか。目糞鼻糞を笑う状況になってはいないか。

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