日本統治時代に徴用された朝鮮半島の労働者を象徴する高さ約2.1メートルの像が12日、ソウル中心部の竜山駅前広場に建立され除幕式が行われた。長崎県の造船所で強制労働させられていたとする金漢洙さんは「遅かったが良かった。目に見える像があってこそ思い出される」と述べている。
北九州を中心とした「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産に登録された以上、その建設を担った人たちの像が建立されるのは望ましいことである。ソウル近郊の仁川市の公園にも設置されるそうだが、日本の産業革命遺産の近くにも是非設置して頂きたい。
ミャンマーのアウン・サン・スーチー国家顧問が率いる国民民主連盟の政権下で、インターネット上で政府や国家を批判した報道関係者の逮捕が相次いでいる。
民主主義を守るためには、暴力的言説や特定の人物に対する差別的発言を封じることも時には必要である。但し、それは政府や国家に対する言論・出版・表現の自由と一体のものとして発動されなければならない。政府や国軍に言及しただけで逮捕されるというのであれば、アウン・サン・スー・チー国家顧問の政策はノーベル平和賞に値しない。
カンボジアのフン・セン首相は11日の演説で、隣国ラオスの兵士が国境を越えカンボジア領に侵入しているとして非難した。両国の国境が完全に確定していないカンボジア北東部のストントレン州に約30人のラオス兵が現在も帰国していないという。
カンボジアとラオスの間に国境問題があるとは知らなかった。地図で調べると、メコン川の支流であるトレン・コン川の流れが国境となっている。河川自体が人間が作った国境に沿って流れている訳ではないので、両国にはおおらかな対処を期待したい。
インド亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は11日の声明で、高齢に伴う体調不良を理由にアフリカ南部のボツワナ訪問を取りやめることを明らかにした。それに先立ち中国外務省は会見で「チベット問題は中国の主権と領土保全に関わる。他国が中国の核心的利益を損なうことは決して容赦できない」と述べ、ボツワナを牽制していた。
中国外務省に同じ言葉を返すならば、「チベット問題はチベットの主権と人権に関わる。中国がチベットの核心的利益を損なうことは決して容赦できない」となるだろうか。