本日の夕刊から

suiryoku

本日の東京新聞夕刊は、環境に関する記事が多かった。
一面トップは、東京都江東区の横十間川親水公園にある水門橋下に設置されたマイクロ水力発電の記事だった。治水対策の水門に集水版を取り付けることで最大1.5mの高低差を生み出し、流れ下る水力で水車を回して発電する仕組みである。費用は調査費、工事費合わせて3,500万円であり、発電出力は電子レンジ1台を動かせる程度の約1kwとなる。区温暖化対策課の担当者は「水は区内の至るところにある。売電まではいかなくても、工夫をすれば都市部でも電気を起こせることを実際に見て知ってもらいたい」と話している。
先日の水素発電の記事を考えても、石炭、石油、原子力の時代が終わりを告げ、水の時代が来ているのではなかろうか。かつて老子は「上善は水の如し 水は善く万物を利して争わず 衆人の悪む所に処る 故に道に幾し(最上の善はちょうど水のようなものである。水は万物に恵みを与えていながら決して他と争うことをしない。(そして)だれもがいやがる(低く湿った)所に身を置いている。だから(水こそ)道(の在り方)に近いといえる。」と述べている。まさに、老子の指摘する水の功利性が2500年後の現代日本において着目されているという事実は興味深い。

そして、2面には大型サイクロンの襲撃から丸4日たったバヌアツ共和国の状況を伝えていた。地球温暖化による海面上昇で海に沈んでしまう国として、ツバルやバヌアツ国の名前を良く聞くが、果たして8割の建物が被災した今回の事故は天災だったのか、それとも人災だったのか。

また同じく2面には、九州電力の玄海原発1号機と中国電力島根原発1号機の廃炉が正式に決定したとの記事が載っていた。昨日敦賀原発1号機と美浜原発1号機・2号機の廃炉が報じられ、福島原発事故後の廃炉はこれで5基となった。敦賀原発1号機の出力は35万kwであり、岡山県瀬戸市で建設が進むメガソーラーの発電出力は23.1万kwである。政治的にどうこういう以前に採算が取れなくなっているのだ。再生可能エネルギーをどんどん増やしていって、原発の維持自体が採算割れにまで追い込んでいくことが大切である。

3面には、二大政党制のお手本であった英国で、反原発や格差是正、福祉の向上などを掲げる左派の緑の党が昨年来、急速に指示を広げているという記事があった。緑の党の2010年の前回総選挙での得票率は1%であったが、昨年5月以降の支持率は平均7〜8%を保ち、保守党と連立政権を組む自由民主党と拮抗している。原発は要らないという政治的判断、必要ないという社会的判断、無駄であるという経済的判断の3つを追い求めていきたい。

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