西沢利栄『アマゾンで地球環境を考える』(岩波ジュニア新書 2005)を読む。
大学のレポートの参考資料として必要な部分だけ卒読した。
アマゾンは地球上に存在する三つの熱帯雨林の一つである。三つの熱帯雨林とは、アフリカのコンゴ川に流域に存在する熱帯雨林、東南アジアに広がる熱帯雨林、もう一つがアマゾン川流域を中心とするアンデス山脈西方地域とメキシコにまで広がる中南米の熱帯雨林を指す。このうち中南米の森林面積は6億9700万ヘクタールで最も広く、2番目の東南アジアの2倍近い。また、これらの3つの熱帯雨林の全面積は、地球上の全陸地面積の7%を占めるにすぎないが、この地域に生存する植物体の量は、地球上の陸上植物の41%、生産量では30%を占めている。
そのため、アマゾンの熱帯雨林破壊は南アメリカの一地域だけの問題ではなく、地球環境に大きく関わるという点について生物学的・地球科学的見地から分かりやすく解説してあった。エルニーニョ現象との関係や多様な生物環境から生み出される300以上の薬用植物や遺伝子資源など多岐にわたるものである。
さあーっと読み流したが、アマゾンの熱帯雨林の自然の重要性と、その開発・保全を巡る人的・社会環境の貧困さはよく理解できた。