月別アーカイブ: 2023年4月

『木を植えた人』

ジャン ジオノ『木を植えた人』(こぐま社 1989)を読む。
フランスの田舎の荒地にどんぐりを蒔いて森に育て上げた男の物語である。話のメインテーマは森ではなく、森を育てる男の生き方にある。他人との比較ではなく、二十年後、三十年後の森の成長を目標に地道に生きていく幸せが描かれている。

「サンマ、温暖化で餌少ない沖合に」

本日の東京新聞夕刊に、秋刀魚の水揚げ量が激減しているとの記事が掲載されていた。数年前から地球温暖化により、寒海魚の生息域が北上し、日本近海での水揚げ量が減っているのは知っていたが、ここまで急減しているとは知らなかった。

サケの水揚げ量も減っており、日本近海で寒海魚は期待できないのであろうか。

  • 暖海魚とは、生息に適した水温が10℃以上となる魚類。マグロ、カツオ、イワシ、サバ、ブリなどが該当。
  • 寒海魚とは、生息に適した水温が10℃以下となる魚類。サケ、ニシン、タラ、マス、サンマなどが該当。

『贖罪』

湊かなえ『贖罪』(双葉文庫 2012)を読む。
2009年に刊行された本の文庫化である。短編集だと思っていて第1話だけ読んで、しばらく放っておいた本である。3週間ほどカバンに入れっぱなしで、今日再開したところ、止まらなくなった。登場人物の全員がタイトルにある贖罪を背負うという運命に導かれた内容で、著者の物語の構想力に驚かされる。オススメの一冊である。