月別アーカイブ: 2023年1月

『ダンスでコミュニケーション』

香瑠鼓(KAORUCO)『ダンスコミュニケーション』(岩波ジュニア新書 2006)を読む。
著者の香瑠鼓さんは、早稲田大学社会科学部を卒業後、振付師として芸能界に関わるようになる。90年前後に活躍した女性アイドルユニットWINKの『愛が止まらない』やチョ・ナンカン(草彅剛)の『愛の唄〜チョンマル サランヘヨ』、香取慎吾の『慎吾ママのおはロック』などを手掛けている。さらに、今現在もブラウン管サイズで放映されているタケモトピアノのCMのダンスも指導している。

著者はダンスという言葉以外の身体コミュニケーションの可能性を信じており、芸能界だけでなく、障害をもった子どもたちの指導も担当しており、舞台を通じて子どものやる気を伸ばす教育も行なっている。そうした経験から、著者の持ち味である一人一人が主人公となるダンスが『慎吾ママのおはロック』に結実されている。

あとがきの中にジャニーズ事務所に所属していた飯島三智さんへの謝辞が述べられていた。

『名もなき毒』

第41回吉川英治文学賞受賞作、宮部みゆき『名もなき毒』(文春文庫 2011)を読む。
中日新聞をはじめとするブロック紙に2005年3月から12月にかけて連載された小説である。推理小説の体を取りながら、現代社会に上手く馴染めず、他人や社会との溝を心の毒で埋めようとする人間像を描く。クリスマスなど他人の幸せが嫌でも目につく時期ともなると、自分の境遇との格差に苛立ちが募り、他人を攻撃したり、自傷行為に走ったり、あるいは逃避したりする人間の弱さを見事に炙り出している。面白いと思える作品ではなかったが、文学的なテーマを含む作品であった。

「第31回埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」

昨日テレビ埼玉で放映されていた、大野埼玉県知事や清水さいたま市長、埼玉りそな銀行社長など、埼玉を代表する知事や県議会長、市町長、県内企業の社長などが一堂に会した歌謡祭を観た。意外に面白いという話だったので、冗談半分に見たところ、意外に楽しむことができた。歌そのものはすっ飛ばしたが、出演者のビジカジ風の格好や、インタビューの端々に表れる公私の微妙な使い分けなど、通な楽しみがあった。

『大金塊』

江戸川乱歩『大金塊』(ポプラ社 1964)をパラパラと読む。
月刊娯楽雑誌「少年倶楽部」(大日本雄辯會講談社)に、1939年1月から1940年2月にかけて連載された、少年向け探偵小説の第4話である。犯人はすっかり怪人二十面相だと思っていたが、肩透かしを食った感じだ。
犯人グループの一味が「「フフフフフフ、おれたちが、みんな百万長者か。なんだか夢みたいだね。」と語る場面がある。暗号資産で億単位の儲けを得た「億り人」なんて言葉が流行る現代に照らすと、百万長者はお安い。

「クロアチア “ユーロ”導入始まる 20カ国目 域内の自由往来も EU結束に弾み」

[テレ朝news]より。

クロアチアで1日からヨーロッパの共通通貨ユーロが導入されました。
ヨーロッパ域内を出入国検査なしで移動できる協定への参加も始まりました。
クロアチアは、1日からこれまでのクーナに替わる通貨としてヨーロッパの共通通貨ユーロを導入しました。ユーロ圏は20カ国に拡大します。
また、同時にヨーロッパ域内を出入国検査なしで移動できる「シェンゲン協定」への参加も始まりました。
協定参加国との間で陸路と海路は1日から、空路では3月26日から自由な往来が可能となります。
 
クロアチアは2013年にEU=ヨーロッパ連合に加盟した最も新しい加盟国で、EU統合が進むことになります。
ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、2023年もEUが結束して対応できるかが注目されます。