日別アーカイブ: 2022年6月12日

『グローバリゼーション』

伊豫谷登士翁・編『グローバリゼーション:思想読本[8]』(作品社 2002)をパラパラと読む。
Wikipediaで調べてみたところ、編者の伊豫谷氏は東京外国語大学と一橋大学で長らく教鞭をとられ、本書のタイトルにもなっている「グローバリゼーション」に関する研究に従事していた研究者である。経歴を見ると、つい先月の5月28日に逝去されたばかりであった。

ほとんど読んでいないのに読んだふりをすると、要は政治のグローバリゼーションが帝国主義であったり、共産主義であったり、また経済のグローバリゼーションが多国籍企業やWTO、IMFであったり、さらには環境問題やエネルギー問題、イスラム教、移民・難民なども関わってきたりと、現代社会そのものがグローバリゼーション抜きには語ることができなくなっている。そうした現状を語った上で、グローバリゼーションを分析する上でも、批判する上でも、人文・社会・自然といった旧来の枠組みを完全に組み替えるような新たなアプローチが求められると述べている。

「最後のNY市公衆電話撤去」

本日の東京新聞朝刊記事から。
なぜ、このようなニュースを取り上げたのかというと、地理B(地理探求)の共通テストで何度か、固定電話の普及率と携帯電話の普及率に関する問題が出題されたからである。ぱっと見、以下の公衆電話の記事を読むと、高校生の皆さんは古臭い話題が取り上げられているんだなと感じてしまうかもしれない。

しかし、公衆電話を含めた固定電話網は先進国と呼ばれる国ほど普及しており、BRICS含め、この1990年代以降に経済成長を遂げた国は、固定電話網が普及する前に携帯電話の基地局が整備されたので、スマホは持っているが、街中に公衆電話がなく家にも固定電話がないというのが常識になっている。数年前にヨーロッパの国とアフリカの国の電話網の比較から、国名を答える問題が出題されている。

ここでいう先進国とは一人当たりのGNIが10,000ドルを超える国であり、190数カ国の3分の1を占める。また、開発途上国とは一人当たりのGNIが3,000ドル以下の国であり、同じく190数カ国の3分の1くらいの数である。地理総合で配布している統計データに詳しく載っているので、興味ある人見てほしい。高校や大学の偏差値を見ると、その学校の雰囲気が大体理解できるように、一人当たりのGNIを覚えると、大体の国の様子が見えてくるであろう。

地理で受験を考えている人は、一人当たりのGNIを必ずチェックしておこう!
また発表を聞きながら、「国全体のGNI÷人口=一人当たりのGNI」を頭の中で計算していくと、発表内容以上にその国を知ることができるはず。