伊豫谷登士翁・編『グローバリゼーション:思想読本[8]』(作品社 2002)をパラパラと読む。
Wikipediaで調べてみたところ、編者の伊豫谷氏は東京外国語大学と一橋大学で長らく教鞭をとられ、本書のタイトルにもなっている「グローバリゼーション」に関する研究に従事していた研究者である。経歴を見ると、つい先月の5月28日に逝去されたばかりであった。
ほとんど読んでいないのに読んだふりをすると、要は政治のグローバリゼーションが帝国主義であったり、共産主義であったり、また経済のグローバリゼーションが多国籍企業やWTO、IMFであったり、さらには環境問題やエネルギー問題、イスラム教、移民・難民なども関わってきたりと、現代社会そのものがグローバリゼーション抜きには語ることができなくなっている。そうした現状を語った上で、グローバリゼーションを分析する上でも、批判する上でも、人文・社会・自然といった旧来の枠組みを完全に組み替えるような新たなアプローチが求められると述べている。