月別アーカイブ: 2022年1月

「ロシア軍集結問題 外相会談」

本日の東京新聞朝刊記事より。
連日ロシアとウクライナの緊張が報じられている。2014年に続いて、ウクライナへの侵攻準備を着々と進めるプーチン大統領と、ウクライナ国内に米軍を配置する北大西洋条約機構(NATO)の拡張を粛々と進めるバイデン大統領との間の不穏な空気が一層強まっている。

話題の中心となっているウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、元々俳優であり、政治ドラマで大統領を演じ好評を博したことから、あれよあれよという間に現実世界でも大統領となった異色の経歴の持ち主である。まだ43歳の若い政治家である。

ウクライナは欧州に近い西部はウクライナ語圏でEU寄りである。一方ロシアに近い西部(ドネツク地方)はロシア語を話す人が多く、ロシアとの併合を望むものもいる。ゼレンスキー大統領自身は欧米寄りであり、米軍の援助を受けてロシアの追い出しに動いているらしいとのこと。

ロシア情勢に詳しい防衛省防衛研究所の兵頭慎治政策研究部長は、朝日新聞の取材に対し、「ロシアにとってのウクライナ問題、中国にとっての台湾問題は似ている。どちらも、米国の対応を見極める試金石になるからだ。中国は今、ウクライナ情勢で米国がどういう反応をするのか、注視しているだろう」と話しているそして「ロシアも中国も、お互いに相手を自分の紛争に巻き込もうとするだろう。特に中国は台湾問題に、ロシアの核抑止力を政治利用したいと考えているはずだ」と語っている。

つまりウクライナと台湾は米国との政治カードに使われており、ユーラシア大陸の東西で米露が米国との駆け引きが展開されているというのだ。冷戦の頃は、ソ連邦と中国は同じ共産主義国でありながらも対立していたので、ソ連軍と中国軍が共同歩調を取ることはなかった。しかし、この「ウクライナ-台湾」問題では、中ロが密接に連携を取っているかのようである。

『九条の大罪』

真鍋昌平『九条の大罪』(小学館ビッグコミックス 2021)の第1巻を読む。
TSUTAYAで子どもの漫画を借りた際に、あと数冊で安くなるということで中身を全く確認せず、日本国憲法第9条のことだと思いこんで借りてきた。読み始めると憲法9条ではなく、悪徳弁護士の九条(くじょう)さんを主人公とした物語であった。ブラックジャックの弁護士版というような設定で、これからも連載が続いていくような雰囲気があった。

『自由をつくる 自在に生きる』

森博嗣『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書 2009)を読む。
著者の森博嗣であるが、押井守が監督した『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(2008)の原作者として名前を知っていた。
40歳を過ぎて名古屋大学の准教授の職を辞し、専業の小説家となった移植の経歴の持ち主である。その著者が自由の定義と自由に生きることの実践を説く。著者の考える人生観が著者自身の言葉で訥々と語られ、酒場で職場の先輩の話を聞くように心に染み入ってきた。

僕は、だいたいにおいて、他人の目を気にしない人間だと思う。自分が基準なので、自分が普通だと思うわけで、結局、「何故、みんなはあんなに人の目を気にするのか」と考えるはめになる。ものごとを客観的に観察しようとすると、人の目といった想像上の(思い込みの)自分の目こそ疑いたくなる。

もう少し説明すると、「人の目を気にする」人間の大半は、「自分の周囲の少数の人の目を気にしている」だけである。そして、「人の目を気にしない」というのは、自分一人だけの判断をしているのではなく、逆に、「もっと確かな目(あるときは、もっと大勢の目)による評価を想定している、という意味だ。それは「今の目」だけではなく、「未来の目」にも範囲が及ぶ。それが「客観」であり、「信念」になる。

最近では、子供に自分の夢を託す親が増えているように思う。子供に習い事をさせたり、塾に通わせたりしている。まあ、悪くはない。しかし、子供にやらせるならば、自分でしたら良いのではないか。あるいは、自分も一緒にやってみたらどうなのか。何故、自分ではなく、子供にさせるのだろう。そのあたりをもう少し考えてほしい。子供の人生は子供のものである。けっして親のものではない。もちろん、援助は必要だけれど、投資すべきなのは、子供ではなくむしろ自分である。30代や40代というのは、まだまだ投資して、あたらいしことを取り入れる年齢ではないのか。「親」という「子供育成マシン」に成り下がる必要はないのである。それこそ不自由だ、と僕は思う。

『ぽるとがる游記』

角幡春雄『ぽるとがる游記』(新潮選書 1995)をパラパラと読む。
60歳を過ぎてからポルトガルに留学した体験記が綴られている。個人的な体験が多く、自費出版のような内容でほとんど読み流した。

トンガ津波 ペルーで原油流出」

本日の東京新聞夕刊記事より。
トンガからペルーまで約11,000キロメートルも離れている。そんな距離を津波が襲ったのかと思うと同時に、「あれっ、ペルーって産油国だっけ」と思った。記事をよく読むと、ペルー国内で作られた製油ではなく、どこかの国の原油をペルー国内にある製油所に荷下ろし中に被害に遭ったようである。

ちなみに、2020年の世界の原油生産量ランキングによると、ペルーは世界第40位である。中南米の西側は環太平洋造山帯に属しており、産油国が多い。メキシコは同第11位。コロンビアは同第20位、OPEC(石油輸出国機構)に加盟しているベネズエラとエクアドルはそれぞれ26位、28位となっている。

他の記事にあたった訳ではないが、ペルーで産出されたものではなく、輸入された原油であろうと推測される。