本日の東京新聞朝刊に、大国や隣国の思惑が交錯するシリアの情勢が報じられていた。2010年の「アラブの春」以降、地中海への足場を確保したいロシアが支援するアサド政権と、アメリカが支援する反政府組織との間で激しい戦いが継続している。さらに内戦の間隙を縫って過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大してきた。また「国家を持たない世界最大の民族集団」とも呼ばれるクルド人が自治権拡大を狙うと、隣国トルコが介入を繰り返している。そうこうする内に、イランまでがシリア内戦に加わり、さながら、世界紛争の見本市のような惨憺たる状況となっている。
今年度の地理の授業でふれたが、このシリア内戦から逃れたシリア難民がヨーロッパに流入することで、難民に寛容だったドイツ・メルケル政権に批判が高まり、英国はEUを離脱するなど、大きな国際政治の火種ともなっている。
次年度の地理の授業でも、こうした動きについてフォローしていく説明に工夫を凝らしていきたい。