月別アーカイブ: 2021年2月

「カタルーニャ議会選 独立派の維持に注目」

本日の東京新聞朝刊に、スペイン北東部のカタルーニャ自治州の州議会選挙に関する記事が掲載されていた。州都バルセロナを中心とするカタルーニャは756万人の人口を数え、4694万人のスペイン全体の16%に過ぎないが、経済的にはスペインのGDPの20%を占め、貿易でもスペイン経済の牽引役を担っている。また言語や民族的には、スペインとフランス、イタリア3国の中間に位置する。ちなみにカタルーニャ語を公用語とする国は、スペインとフランスの国境となっているピレネー山脈に位置するアンドラ公国がある。

私は「鶏口牛後」という諺が好きです。中国の戦国時代の言葉で、「大きな組織の末端ではなく、小さな組織のトップでいなさい」という意味です。カタルーニャ自治州政府としては、スペインの国内で燻っているよりは、独立してEUの一員としてやっていく方が良いであろう。ただ、EUという自由貿易体制の域内で、経済的に潤っている地域が独立するという動きが広がってしまうのはどうだろうか。

「中国 石炭火力新設ラッシュ」

本日の東京新聞朝刊に、中国火力発電所の新設が相次いでいるとの記事が掲載されていた。中国は古期造山帯に位置しており、石炭の埋蔵量はアメリカやロシア、オーストラリアを抑えて世界第1位となっている。石炭は主にシダ植物や昆虫、両生類が大量に現れた古生代の頃の地層から産出される。そのため、石炭は大量の二酸化炭素や窒素化合物、硫黄化合物を含んでいる。地球温暖化や大気汚染という観点から、石炭火力発電は一国だけの判断に委ねてよいものではない。気候変動に関する国際的枠組みであるパリ協定の指針に照らしたものでなくてはならない。

中国のみ取り上げられているが、日本でも160を超える石炭火力発電所がフル稼働で動いており、さらに10以上の火力発電所の建設・計画が進んでいる。もちろん中国に比べれば微々たるものだが、中国を一方的に批判する資格はない。

石炭火力発電を廃止して一気に再生可能エネルギーという議論は、またぞろ原発再稼働という意見が噴出してしまう。再生可能エネルギーが安定的に供給されるまでは、短中期的に天然ガスの活用を考えるべきである。でも、天然ガスは石炭に比べ偏在性が強いので、国際政治の動向に左右されやすいという欠陥がある。

川崎サイクリング

大井にある東京港野鳥公園に車を停めて、昭和島や平和島周辺ぶらぶらと走った。


モノレールの高架下より


羽田空港は休みかと思うくらいに閑散としていた。国際線が発着する第3ターミナルの発車標の多くが運休だった。


羽田の大鳥居。ぱっと見、真新しいものであったが、戦前のものを移築したとのこと。


浮島町周辺の石油化学コンビナートの様子。30年近く前にバイクで走った頃は臭いが強かった印象があったが、自転車で廻ってもほとんど臭いを感じなかった。


川崎の国道15号線沿いの池上町や浜町、桜本町周辺をぶらぶらと走った。池上町は旧日本鋼管(現JFEスチール)の敷地内にある町で、いまだに土地の所有権がはっきりしない地域である。もともとJFEスチールの職員の方が住んでいたということで、良い意味で有耶無耶なまま棚上げされている地域である。亀戸周辺の下町のような懐かしさを感じる佇まいである。


最後に川崎大師に立ち寄った。

『愛の領分』

第125回直木賞受賞作、藤田宜永『愛の領分』(文藝春秋 2001)を読む。
ちょうど1950年生まれの著者と同世代の50を過ぎたばかりの中年男性が主人公の恋愛物語である。ちょうど長野(北陸)新幹線が開通した直後に書かれた作品で、日帰りで行って帰って来れるようになった東京と上田の微妙な距離感が、そのまま男女の微妙な間柄の象徴として上手く演出されている。また二十歳前後の若かりし頃のエピソードが次々と明らかになる推理小説的な展開も面白かった。

「地形が左右 最南端スキー場も」

本日の授業で紹介した、東京新聞の記事です。
解説にあるように、湿った空気が山地の斜面を上昇するとき降る雨(雪)のことを、地理Bでは「地形性降雨」と言います。世界ではマダガスカル島の東部やインド北部などで見られます。