月別アーカイブ: 2017年11月

『私家版 日本語文法』

井上ひさし『私家版 日本語文法』(新潮社 1981)を少し読む。
ちょうど係助詞を扱っていたので、格助詞「が」の変遷や、「が」と「は」の違いなど興味深かった。また形容詞も時枝文法によると、ク活用が状態的な属性概念を表すのに対し、シク活用が心意的、情意的な面を表すという点なども「なるほど」と思った。
他にも地名に関する考察やn音の研究など面白そうな内容の章があったが、途中でページを閉じてしまった。

『イタリア幻想曲』

内田康夫『イタリア幻想曲:貴賓室の怪人Ⅱ』(角川書店 2004)を読む。
十字架に磔られたイエス・キリストの遺体を包んだという「トリノ聖骸布」を巡る殺人事件である。
イタリアを舞台としているが、他作品と流れは変わらず、良くも悪くも安心して楽しむことができた。
実在している「ヴィラオルシーニ」という16世紀に建てられた別荘を改築したペンションを舞台にしており、観光案内を読んでいるような気分を味わった。

「ジンバブエ ムガベ大統領 退陣不可避」

本日の東京新聞国際面に、アフリカ南部のジンバブエ情勢の記事が掲載されていた。4日前に発生した軍によるクーデター以後、与党の大半がムガベ氏退陣に合意し、さらに与野党協力して暫定統一政権の樹立の動きがあるなど、国民の多くが歓迎ムードであると伝えている。
しかし、一方で、15日の蜂起の数日前に国軍トップのチウェンガ司令官が北京を訪問し、中国国防省幹部らと会談をしたとのこと。ジンバブエには豊富な地下資源があり、中国は巨額の投資を続けている。かなり古い話だが、南米チリで1973年に、米国の支援を受けたアウグスト・ピノチェト将軍が、社会主義政権のアジェンデ政権打倒のクーデターを起こし、米国流の自由主義経済政策を導入するという事件が起きている。ジンバブエでは国民も歓迎ムードに浸っているとのことだが、その背後にあるアフリカにおける中国軍の暗躍はきな臭い。

ムガベ大統領は現在、世界で最高齢の首脳で、白人政権への抵抗運動を率い、1980年に独立を達成以来、37年間にわたって実験を握り続けてきた。2000年以降、極端な農業改革を実施した結果、農地が荒廃して経済も崩壊。選挙の際に野党を弾圧するなど強権体制を敷き、欧米諸国などから「独裁者」と批判されてきた。

『源氏物語を読み解く100問』

伊井春樹『源氏物語を読み解く100問』(NHK出版生活人新書 2008)を読む。
源氏物語の登場人物や地名などの4択クイズを通して、「桐壺」から「夢浮橋」までの大体の流れが押さえられるようになっている。中には「源氏が翻訳されていない言語を選べ」などの首を傾げてしまうクイズもあったが、2時間ほどで源氏物語を整理することができた。