本日の東京新聞国際面に、アフリカ南部のジンバブエ情勢の記事が掲載されていた。4日前に発生した軍によるクーデター以後、与党の大半がムガベ氏退陣に合意し、さらに与野党協力して暫定統一政権の樹立の動きがあるなど、国民の多くが歓迎ムードであると伝えている。
しかし、一方で、15日の蜂起の数日前に国軍トップのチウェンガ司令官が北京を訪問し、中国国防省幹部らと会談をしたとのこと。ジンバブエには豊富な地下資源があり、中国は巨額の投資を続けている。かなり古い話だが、南米チリで1973年に、米国の支援を受けたアウグスト・ピノチェト将軍が、社会主義政権のアジェンデ政権打倒のクーデターを起こし、米国流の自由主義経済政策を導入するという事件が起きている。ジンバブエでは国民も歓迎ムードに浸っているとのことだが、その背後にあるアフリカにおける中国軍の暗躍はきな臭い。
ムガベ大統領は現在、世界で最高齢の首脳で、白人政権への抵抗運動を率い、1980年に独立を達成以来、37年間にわたって実験を握り続けてきた。2000年以降、極端な農業改革を実施した結果、農地が荒廃して経済も崩壊。選挙の際に野党を弾圧するなど強権体制を敷き、欧米諸国などから「独裁者」と批判されてきた。