真ん中と下の子どもとまつぶし緑の丘公園やその周辺をぶらぶらとした。
月別アーカイブ: 2017年7月
レイクタウンまで
『独立して成功する!「超」仕事術』
晴山陽一『独立して成功する!「超」仕事術』(ちくま新書 2003)を読む。
10年ほど前に購入して、そのまま本棚の肥やしとなっていた本である。
40代後半で中堅出版社の敏腕編集者からフリーの執筆者となった経緯と、独立して仕事を進めていくコツが分かりやすく語られている。
「知的生産」のヒントとして著者があげるいくつかの参考例の中で、気になったところを抜き書きしておきたい。
- 前もって計画できる作業型の仕事と、計画できない創造型の仕事を区別し、何事も計画でがんじがらめにしないこと。
- 仕事を詰まらせないために、進まない仕事を後回しし、進む仕事を最優先すること。そのためには、複数の仕事を並行して進めること。
- 「20-80の法則」を応用し、やりやすい仕事から手をつけ、20%の時間で80%の仕事を終えること。
- ワーク・ライフ・バランスをはかり、仕事と生活のバランスをとり、心に余裕を持たせること。仕事をしていない時の時間を大切にすること。
- 著者も編集者も、書籍は「作品」ではなく、「商品」なのだということを、まず第一に認識すべきだろう。ただ書いただけのもの、作っただけのものは「作品」であって、いまだ「商品」とは言いがたい。読者は鑑賞者である前に、消費者なのだ。読者に対し、額面通りの内容の商品を提供できないようなら、「本が売れない」などという恨み言も、空しく響くだけである。
→これは「書籍」を「授業」に置き換えるならば、教育産業でも通用する。 - インプットは速く、多く。アウトプットはじっくり、手堅く。
本を読むのも、知識のインプットに励むのも、本当の目的は「はてな?」を増やすためなのである。 - 文章から無用な形容詞を消そう。「せめて、かろうじて、ひたすら、かなり、わりと、のような、しがない、せいぜい、さして、あまり、やはり、いっそ、なまじ、どうせ、さすが」などの感情ごは読者にとって目障りになりやすい。
- 終わりから始めよ! 全体から攻めろ!
どこの世界に、例えば、自動車を作る時に、「いけるところまでいこう!」などという製造法をとる会社があるだろうか。本も同じである。仕上がりイメージのない本は、成りゆきで出来た本と言われても仕方ない。
『ニッポンの大学』
小林哲夫『ニッポンの大学』(講談社現代新書 2007)を読む。
海外のマスコミによる世界大学ランキングに始まり、授業への出席率やファッション誌登場学生数、広報活動が熱心な大学、東大出身の教員比率、「朝まで生テレビ!」出演者所属大学、サッカーW杯日本代表などなど、あらゆる大学のランキングが掲載されている。中には大学名の文字数ランキング(1位は大阪河﨑リハビリテーション大学)やテレビ映画のロケ地ランキング(1位は共立女子大学)、新聞の逮捕者報道で名前があがった大学(1位は東京大学)など、あれっと思うようなランキンまで扱っている。
著者には、こうしたランキングで上位の大学を誉めたたえようとか、下位の大学を面白おかしく弄ろうなどという考えはなく、「ランク付け」を通して現在の大学が置かれている社会状況や、大学教育を引っ掻き回す社会的要因について言及している。読みやすい内容で、90年代半ばから10年くらいの大学の変化について押さえることができた。
『国旗で読む世界地図』
吹浦忠正『国旗で読む世界地図』(光文社新書 2003)を半分ほど読む。
2003年当時の196の独立国の国旗について、冒頭で以下の「吹浦式国旗記憶法」をあげて、詳細な解説を加えている。あまりに細かすぎて途中で投げ出してしまったが、参考になるところは多かった。
- バングラディッシュ以東の国の国旗には、全部、赤がどこかで用いられ、緑がない
- バングラディッシュ以西の国では緑が主役。バングラディッシュは赤と緑
- 赤黄緑は「アフリカの3色」。例外がボリビア、ガイアナ、スリナム、グレナダ
- ヨーロッパの国旗には星がない。例外がボスニア・ヘルツェゴビナ
- 青は、アメリカンブルー。中南米と海洋諸国には青が多い。青旗紋章付きは中南米
- 旧ソ連諸国はロシアが嫌い。白青赤(ロシア国旗の色)がない
- 故意や無作為で類似のデザインとなった国旗の例も
- 未だ冷戦時代を引きずっている国旗も
- 世界遺産や珍品の国旗も各地に
- 国旗は政治的変化で変わる
1.赤は太陽を表し、日本、バングラディッシュ以外にも、韓国、インドネシア、タイの国旗に用いられている。また白い太陽も台湾、ラオス、ネパール、マーシャルで使われ、黄色や金色の太陽はモンゴル、フィリピン、カザフスタン、キルギスなどで使われている。特に東アジア、東南アジア諸国の国旗に多い。
2.緑はイスラムの預言者モハメットのターバンの色ともマントの色ともいわれ、イスラム諸国で最も大事にされている色である。また、赤白黒はマホメット以降4代までのカリフの色とされ、アフガニスタン、クウェート、ヨルダン、イラク、シリア、アラブ首長国連邦、パレスチナ、スーダン、西サハラなどは4色全部を使った旗となっている。一方、イスラム諸国では青はほとんど用いられておらず、白地の青の「ダビデの盾」というイスラエルの国旗は周辺諸国からは異色である。
また、三日月と星もイスラムの英雄にちなむものとして尊重されており、世界中のイスラム国の旗に採用されている。
3.赤黄緑はアフリカにおける最も古い独立国であるエチオピアの三色に由来する。また、赤はアフリカの独立の犠牲となった人々の血の色を示し、黄色は砂漠や地下資源を意味し、緑は森と草原を表している。また南アフリカのように黒人の強さを表す黒も多くの国旗に入っている。一方で青白赤の3色だけの旗は、宗主国のフランスやイギリスを連想させるので1つもない。
4.星はトルコやアラブなどのイスラム教国がシンボルにしてきたものであり、またロシア革命後社会主義のシンボルにもなったのが理由として挙げられる。ただし、EU旗は発足当時の12の国の数の星印で構成されている。
5.太平洋諸国の国旗には太平洋を表す青が多く用いられている。また、中南米諸国の紋章の中にはローマ時代の奴隷解放に由来する「自由の帽子」がしばしば登場する。
6.もともとロシアの国旗(白青赤の横三色旗)は、オランダ(赤白青の横三色旗)に遊学したピョートル大帝がロシアにもたらしたとされる。これがスラブの3色となりチェコ、スロバキア、セルビア・モンテネグロ、スロベニア、クロアチアの国旗となっている。一方、旧ソ連諸国の国旗には白青赤の組み合わせがない。
7.十字架の国旗は、デンマーク、ノルウェイ、スウェーデン、アイスランド、フィンランドの北欧5カ国以外にも、英国、ギリシャ、ドミニカ共和国などの国旗に見られる。また北回帰線付近から南半球で、最もポピュラーな星が南十字星で、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、サモアの国旗に大きく描かれている。また、ブラジルの国旗にもある。
8.中国、北朝鮮、ベトナム、アンゴラ、モザンビーク、ジンバブエといった国では現在も社会主義の象徴として国旗に星を用いている。
9.カンボジア国旗のアンコールワット、インドの「法の輪」、ジンバブエの「ジンバブエの鳥」、レバノンの「レバノン杉」はいずれもユネスコに登録された世界遺産である。また、キルギスの「パオ」も遺産価値は高い。
10.アラブ・アフリカ諸国ではこれまで、国の集合離散、革命、クーデター、戦争、政治制度の変更、同盟、政権の交代などによって、しばしば国旗が変更されてきた。逆に中南米では紋章の一部を修正するようなことはあっても、大きな変更はない。