晴山陽一『独立して成功する!「超」仕事術』(ちくま新書 2003)を読む。
10年ほど前に購入して、そのまま本棚の肥やしとなっていた本である。
40代後半で中堅出版社の敏腕編集者からフリーの執筆者となった経緯と、独立して仕事を進めていくコツが分かりやすく語られている。
「知的生産」のヒントとして著者があげるいくつかの参考例の中で、気になったところを抜き書きしておきたい。
- 前もって計画できる作業型の仕事と、計画できない創造型の仕事を区別し、何事も計画でがんじがらめにしないこと。
- 仕事を詰まらせないために、進まない仕事を後回しし、進む仕事を最優先すること。そのためには、複数の仕事を並行して進めること。
- 「20-80の法則」を応用し、やりやすい仕事から手をつけ、20%の時間で80%の仕事を終えること。
- ワーク・ライフ・バランスをはかり、仕事と生活のバランスをとり、心に余裕を持たせること。仕事をしていない時の時間を大切にすること。
- 著者も編集者も、書籍は「作品」ではなく、「商品」なのだということを、まず第一に認識すべきだろう。ただ書いただけのもの、作っただけのものは「作品」であって、いまだ「商品」とは言いがたい。読者は鑑賞者である前に、消費者なのだ。読者に対し、額面通りの内容の商品を提供できないようなら、「本が売れない」などという恨み言も、空しく響くだけである。
→これは「書籍」を「授業」に置き換えるならば、教育産業でも通用する。 - インプットは速く、多く。アウトプットはじっくり、手堅く。
本を読むのも、知識のインプットに励むのも、本当の目的は「はてな?」を増やすためなのである。 - 文章から無用な形容詞を消そう。「せめて、かろうじて、ひたすら、かなり、わりと、のような、しがない、せいぜい、さして、あまり、やはり、いっそ、なまじ、どうせ、さすが」などの感情ごは読者にとって目障りになりやすい。
- 終わりから始めよ! 全体から攻めろ!
どこの世界に、例えば、自動車を作る時に、「いけるところまでいこう!」などという製造法をとる会社があるだろうか。本も同じである。仕上がりイメージのない本は、成りゆきで出来た本と言われても仕方ない。