小林哲夫『ニッポンの大学』(講談社現代新書 2007)を読む。
海外のマスコミによる世界大学ランキングに始まり、授業への出席率やファッション誌登場学生数、広報活動が熱心な大学、東大出身の教員比率、「朝まで生テレビ!」出演者所属大学、サッカーW杯日本代表などなど、あらゆる大学のランキングが掲載されている。中には大学名の文字数ランキング(1位は大阪河﨑リハビリテーション大学)やテレビ映画のロケ地ランキング(1位は共立女子大学)、新聞の逮捕者報道で名前があがった大学(1位は東京大学)など、あれっと思うようなランキンまで扱っている。
著者には、こうしたランキングで上位の大学を誉めたたえようとか、下位の大学を面白おかしく弄ろうなどという考えはなく、「ランク付け」を通して現在の大学が置かれている社会状況や、大学教育を引っ掻き回す社会的要因について言及している。読みやすい内容で、90年代半ばから10年くらいの大学の変化について押さえることができた。
『ニッポンの大学』
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