手塚治虫『上を下へのジレッタ』(文春文庫 1995)を上下2巻読む。
表題作の他、青年大人向けの『刑事もどき』や『負け女郎』など数編の短編が収録されている。
1968年から1969年にかけて、実業之日本社刊行の『漫画サンデー』に連載された作品で、とある漫画家の妄想の世界(ジレッタ)を増幅器を介して他者もリアルに体験することができるという不思議な能力を巡ってドタバタ劇が展開される。覚醒剤の幻覚作用に近い
ちょうど今年は、360度3D空間でバーチャルリアリティを楽しむゲームが発売され話題をさらったこともあり、今後何かの折に話題になりそうな内容であった。