月別アーカイブ: 2016年9月

『W3』

w3

手塚治虫『W3』(秋田書店 1968)全2巻を読む。
先日の『鉄腕アトム』と同時期に買った本で、30数年ぶりに読み返す形になった。
もう50年前の漫画だが、今映像化しても派手な格闘シーンや、地球爆発、時間軸の交錯など、SFアクション映画の要素満載の映画となりそうだ。

『鉄腕アトム 別巻①』

image

手塚治虫『鉄腕アトム 別巻①』(講談社 1982)を読む。
クローゼットの奥から30数年ぶりに陽の目を見たので手に取ってみた。
確か小学校の頃に正義のヒーローである鉄腕アトムの漫画だと思って買ったのだろうと思う。サンデーや週刊朝日、文芸春秋デラックスといった雑誌に掲載されたもので、あちこちに子どもを作ってしまうものぐさなアトム2世の話や、ロボットの家畜と化した人間の悲しい恋愛物語など、ちょっと大人向けの漫画となっている。
小学校の時分に読んだ際に、イメージと異なるアトムの姿にガッカリとした記憶がある。しかし、今読むに、無鉄砲な原子力発電や無節操なロボット開発を皮肉ったような内容もあって面白かった。

『イン・ディス・ワールド』

inthisworld

近所のツタヤで、ベルリン映画祭金熊賞を受賞した、マイケル・ウィンターボトム監督『イン・ディス・ワールド(In This World)』(2002 英)のDVDを借りてきた。
本当は『イントゥ・ザ・ワイルド』という映画を借りたつもりだったのだが、誰かが置き間違えたようで、隣に置いてあったDVDを借りてしまった。どちらも旅をテーマとしており、最後まで気付かなかった。
ドキュメンタリー映画の要素もあり、本編のみならず監督のインタビュー映像も全て観た。難民の国境を超える移動の困難さがしっかりと伝わってきた。

以下ヤフー映画サイトの解説より
 パキスタンのペシャワール。15歳の孤児ジャマールは難民キャンプで育ち、低賃金の工場で働いていた。そしてもう一人、家族で経営する家電販売店を手伝うジャマールの従兄弟エナヤット。2人はある日、ロンドンへ旅立つことになる。エナヤットの父親が息子の将来を案じて密入国業者に大金を払い、エナヤットを親戚のいるロンドンに向かわせようとしていたのだった。ジャマールも英語が話せるため同行することに。そして、いよいよ彼らは自分たちの新たな未来と希望を胸に抱き、6400キロ彼方の亡命先へ死と隣り合わせの旅に出る…。

『快感自転車塾』

長尾藤三『快感自転車塾:速くはなくともカッコよく疲れず楽しく走る法。』(五月書房 2008)を読む。
60歳後半になる著者が、速く走ることよりも長く走るコツ、苦しく走ることよりも楽しく走るコツについて語る。
自転車の乗り方のコツについて、写真やイラストではなく、言葉で語っている。これまでのどの本よりも一番分かりやすかった。

 骨盤は立てて上体は前傾させる。言葉で書くとたったこれだけのことが、キチンとできていない人が何年も乗っている人に結構います。ジテンシャの基本フォーム、つまりカッコイイ走りのペースなので、なんとしてもマスターしましょう。
 実はこれは上半身の力を全部抜いたスタイルなのです。一日中歩き疲れて、とにかくどこかに腰をおろしたい。近くに程よい切り株などみつけてドカッと座る。背中は曲がり、肩の力も抜けて腕の力も抜けてダラリと下がっている。この時のフォームにとても近い。これができない人なんていないはずです。緊張するから力が入るのです。すると腰がのび、肩が怒り、肘が上がり、グリップを握る手にも力がこもります。その反対に、まずハンドルをふわっと握り、肘を直角に近く曲げます。すると自然に肩が下がる。ついでに腰もガクッとおヘソのあたりから曲げて背中を丸めます。首だけは、うなだれないで上目気味に前を見てください。重心の位置が下がり、お尻とサドルの接点もずいぶん後に移動するはずです。
 (中略)このフォームがいいのは、全身の力が走るのに有効に使えることと、余分な筋肉の疲労がないこと。だから見た目がカッコイイと同時に、最も少ない力で疲れずに走れるフォームでもあるのです。上半身の力をうまく下半身に伝えられる姿勢と言ってもいいでしょう。(中略)
 力をいちばん抜いたようなフォームが、力をいちばん発揮できるというのは、武道の極意にも通じるようで面白いですよね。ボクのイメージとしては、柔らかい布をふわっとジテンシャの上にかけたような感じ。オートバイに乗る時も、スキーで滑る時も、いちばん楽にうまくいっている時には、共通してこのイメージです。うまくいかない時は、改めて意識的に1枚の布になるように心がけています。

『君の名は。』

kiminonaha

娘と二人でララガーデンへ、新海誠監督『君の名は。』(東宝 2016)を観に行った。
夢みたいな記憶と現実の記憶みたいな夢の交錯してビッグバンを引き起こす。
高校時代には想像もしなかった土地で、今現在暮らしているのだが、様々な分かれ道を経てきた自分自身の夢みたいな記憶を少し感じながら鑑賞した。娘と二人で恋愛映画を観るという妙な雰囲気もあってか、久しぶりに映画で感動の涙を流してしまった。
エンドロールの間に涙を拭いたが、少し恥ずかしさを感じている自分に面白みを感じた。