柿崎ヤス子『森の贈りもの』(創森社 2005)を読む。
山形県北部にある人口1万人の真室川町で林業を営む著者が、林業のことや各地での講演会のこと、ボランティア体験などを自分の言葉で語っている。柿崎さんは、自宅の裏山を「百樹の森」と命名し、150種以上の木を植え、体に障害を持つ方や目の不自由な方々、いろいろな事情で家庭を離れて児童養護施設で暮らす子どもたち、さらに地元の高校生などを招待し、森に直に触れたりする癒しの場を提供している。
山村というだけで貧しい寂しい生活をつい想像してしまうが、柿崎さんは、都会に住む人には想像もつかないほど「豊か」な暮らしをしている。樹木や農産物の成長に心を動かし、心の籠った友人や知人に囲まれ、夜は読書に耽るという理想的な生活である。読んだことはないのだが、ヘンリー・D. ソロー著『ウォールデン森の生活』を思い出した。
私もいつかは森に帰り(?)、山村での生活を実践してみたくなった。