「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」より、「おもやい通信 2015秋」が届いた。
簡易宿泊所の劣悪な環境や、いわゆるドヤ街からアパート暮らしへの移行の難しさ、生活保護申請に対する自治体職員の対応の手荒さなどについて触れられていた。一昔前までは冬の寒さを凌げる場所の確保が緊急課題であったが、近年では夏の熱中症対策が命に関わる問題となっている。
経済動向や社会の多様性の広がりの中で貧困に対する見方も変わってくるが、憲法25条に定める「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」そのもののあり方は変わらないし、また「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という責任の所在も変わらない。それ以上でもそれ以下でもない。
日別アーカイブ: 2015年9月5日
「論点スッキリ 安保くっきり 秋田の女性ネット公開が人気」
本日の東京新聞夕刊一面に掲載された記事をそのまま転載します。
秋田県横手市の自営業新田祐子さん(50)が、集団的自衛権行使容認を柱とした安全保障関連法案の国会審議の論点をテーマごとにまとめ、ホームページ(HP)で公開している。支持政党も政策への関心もなかったという新田さんが、かみ合わない議論の中身が気になり、やりとりをまとめた。分かりやすさが評判を呼び、これまでのアクセス数は一万三千件を超えている。 (安藤美由紀)
タイトルは「安保法案の論点整理」。八月二十一日までの審議内容を議事録やネット中継で点検した。参院の審議は自衛隊の身分や武器・弾薬、シミュレーションなど十一の大項目に分類した。
大項目「シミュレーション」のうち「火消しのたとえ話」という中項目を開くと、七月二十八日の安保法案に関する参院特別委員会のやりとりが見られる。
安倍晋三首相が民放テレビ番組で、他国を武力で守る集団的自衛権について自宅と他人の母屋とその離れに例え、離れから火が移りそうなときに消火活動に入ると説明したことに関し、民主党の小川敏夫氏が「消防士と武力の行使を同じに論じるのはおかしい」と迫り、首相は「たとえ話で概念整理をした」と答えている。
「政府の情報隠し」のうち「シビリアンコントロール」との中項目では八月二十一日の同特別委での緊張感のあるやりとりを紹介している。自衛隊作成の資料を入手した共産党の小池晃氏が、資料で自衛隊を「軍」と表現している点を突き、中谷元・防衛相が「便宜的な表現だ」と答えた。
新田さんは、ある政治家のファンとして国会中継をネット視聴しているうちに安保関連法案では「政府側が質問に答えていない」「時間切れで議論が生煮えだ」と感じた。「審議を見ている人たちも、法案の中身や法案成立後にどんな国になるか分からないのでは」と思い、審議のまとめを八月十三日からHPで公開。その後も仕事の合間にネット中継を見て、HPを更新している。
新田さんは「政府は何をしようとし、野党は何に反対しているのか。みんなが法案への賛否を考える一助になればうれしい」と話している。
◆動画 手軽にチェック
国会審議はテレビ放映されていない時でも、本会議や各委員会の様子を、インターネットで無料視聴できる。衆議院や参議院のホームページで「審議中継」をクリックすると、中継施設のない場所での開催や非公開の委員会などを除き、審議が生中継されている。
録画は審議終了後、1時間程度で見られる。過去の映像は、衆院は2010年以降の審議が、参院は審議終了後1年間の審議の模様が保存されている。
議事録もネットで公開されている。審議が終わって数日たつと国立国会図書館が運営するサイト「国会会議録検索システム」で無料閲覧できる。
□ 安保法案の論点整理【衆議院】 http://anporonten.jp/index.html
□ 参議院インターネット審議中継 http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
□ 国会会議検索システム http://kokkai.ndl.go.jp/