地上波で放映された、本木雅弘主演、滝田洋二郎監督『おくりびと』(2008 松竹)を観た。
5年前に映画館で観た作品であるが、内容はほどよく忘れており、良質な感動が再びよみがえってきた。公開後に日本アカデミー賞を総嘗めにし、さらには第81回アカデミー賞外国語映画賞も受賞した作品である。日本文化を代表する作品と評価してもよいであろう。
公開当時に気付いたのかどうか分からないが、生と死の大きな物語の中で生きる人間の確かな存在を感じた。生死の繰り返しという生命の大長編スペクタル比して、一人の人間は小さな小さなドラマを生きる役者でしかない。しかし、その故人が生きた証というものが、納棺師の手によって飾り立て包み込まれることで、残る家族や孫の心の中に受け継がれていく。
見終わった後、死に対して、そして生に対して、不遜にならず、謙虚な姿勢を忘れずにいたいという気持ちになった。
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