子どもをお風呂に入れてから、久しぶりにララガーデンへ出かけた。
鶴橋康夫監督、生田斗真・中谷美紀主演『源氏物語 千年の謎』(2011 東宝)を観に行った。
『源氏物語』誕生の秘密が明かされ、新たな紫式部像が展開されるとの宣伝文句であったが、ただ源氏の粗筋を辿っただけの物足りない作品であった。巻名でいうと第10巻の「賢木」の巻あたりまでである。途中、安倍晴明が伊周の怨霊を退治したり、物語世界に紛れ込んで六条の御息所の生き霊を鎮めるといったSFシーンが挿入されるのは目新しかった。しかし、源氏と六条の御息所との愛情の描き方も不十分だし、藤壷との逢瀬もただ粗筋を映像にしたにすぎず、肝心の紫の上も登場せず、ただ源氏の女難の運命を嘆くという平板な内容に終わっている。
2時間という映画の上映時間の制約上、内容を深めることは難しいだろうと思っていたが、予想通りの期待はずれな作品であった。10年前に観た『千年の恋 ひかる源氏物語』の方がまだ内容盛りだくさんで面白かったように思う。
『源氏物語 千年の謎』
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