1911年創設の宇都宮実用英語簿記学校が母体である。戦後、宇都宮学園高校、宇都宮女子商業高校が創立されている。しかし、高校経営に行き詰まりを感じたのか、1989年に宇都宮文星短期大学が開設されて後は、高校も大学付属として整備され、1999年に4年制大学が開学している。JR宇都宮駅から直通 バスで20分と大学としては不便な場所にある。
日本画、油絵、彫刻の各専攻からなる造形芸術領域、デザイン、デジタル映像、マンガ、アニメーション、染織、陶芸の各専攻からなる機能芸術領域と、芸術理論専攻の10専攻で構成される。全学生500名強のこじんまりとした大学で、1年次は全学生が共通で絵画、工芸、デザイン、彫刻を学ぶシステムで、スケー ルメリットを生かしたカリキュラムとなっている。
デザインとマンガは4学年で100名を越えるが、他専攻は一学年数名~十数名の徹底した少人数教育体制を敷いている。果たしてこの教育環境を宇都宮の外れの僻地で維持できるのであろうか。先日の新聞報道では、大学の規模が小さければ小さいほど赤字体質になりやすく、都市圏よりも地方の方が経営は苦しいとのことである。この大学も付属高校の経営収入を回してやっと維持できる規模であることは間違いない。アンバランスな体制を維持できる懐の深い法人が安泰ならば、魅力的な大学である。