月別アーカイブ: 2010年8月

『本格科学冒険映画20世紀少年〈第2章〉最後の希望』

テレビで放映された、堤幸彦監督『本格科学冒険映画20世紀少年〈第2章〉最後の希望』(2009 東宝)を観た。
観ながら、前に『ムウ』という映画を観たことを思い出した。漫画という枠組みの中では成立するリアリティが、映画という枠組みではおかしなものになってしまう。漫画ならば時間の流れやコマに描かれない部分は読者の想像に任せられるため、突拍子もないSFの世界観が成り立つ。しかし、スクリーンの映像世界以外に観客の想像を許さず、2時間ちょいという時間の制約を受ける映画では、漫画におけるリアリティは表現できない。ちょうど小説のリアリティを漫画が表現できないように。

『円の未来:欲望と欺瞞のマーケット』

田村秀男『円の未来:欲望と欺瞞のマーケット』(光文社 2007)を読む。
2007年の冬に刊行された本なので、サブプライム問題が発生する前のまだ円安バブルが続いていた頃の話が大半を占める。ドル、円、ユーロ、元、そして中東の原油価格、この5つの要素が複雑に絡み合って、為替市場が動いている現実が描かれる。
話の内容が古い上に、語り口が大変に硬く、あまり興味がわかなかった。1章を読んだだけで終わってしまった。

『深紅』

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テレビで放映された、野沢尚原作・月野木隆監督『深紅』(2005 東映)を観た。
じっくりと観たわけではないが、ラストシーンにおけるキスシーンで、恐らくは制作する側も、そして観ている側も一応の合点がいく展開となっている。

『蒲田行進曲』

テレビで放映された、深作欽二監督『蒲田行進曲』(1982 松竹)を観た。
古い作品であったが、登場する人物の立ち振る舞いやセリフ、生活感覚など、昭和の息吹を感じることができ久しぶりに感動してしまった。それだけ私自身が歳をとったということであろう。

『リトル・バイ・リトル』

島本理生『リトル・バイ・リトル』(講談社 2003)を読む。
作者が執筆当時高校生で、芥川賞候補になった話題作である。
日常生活の細かいシチュエーションに心を動かす、感性豊かな若い女性向けの作品である。ちょうど、吉本ばななさんの本を読んでいるような読後感である。30後半のおじさんには中々共感しがたい内容であった。